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#84 四天王その二&その三⑮
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人間の女性の子宮というのは、普段は鶏の卵ほどの大きさの、蒲鉾状の器官である。
それがいったん子をはらむと胎児とともに成長し、最終的には30センチ以上の長さにまで伸びるという。
体積にして数千倍に成長するのである。
今、膣ノイドから突き出た子宮ノイドが、まさにその状態だった。
子を宿しているかと見まごうほど膨張すると、いきなり噴出孔から多量の鮮血を噴き出したのだ。
「うわああっ!」
たまらず明は頭を抱えてうずくまった。
頭上から降り注ぐ生温かい血の雨は、一種異様な臭気を発している。
これが、生理の匂いだったのか…。
長年の疑問が一気に解けた気がした。
中学校、高校と、同級生の女子とすれ違う時、時々漂ってきたあの匂い。
あの、汗の匂いのようでそうでないような、なんだか生臭い奇妙な臭気は、彼女らがつけている芳香剤などの香りではなく、膣から漏れる経血の匂いだったのだ。
家族に女兄弟のいない明には、しょせん知るすべもない事実。
それをこの緊急の際に思い知らされて、明は生命の危機のさなかにもかかわらず、
「そうだったのか!」
すっくと立ちあがり、天を仰いでしまっていた。
が。
子宮ノイドの経血ビームは、そのくらいのことでは止まらない。
むろんそれはビームなどという光線技ではなく、単に体液の放出に過ぎないのではあるが、なんせ量が物凄い。
「うひゃあ!」
明はたちまち経血の奔流に足をとられ、回転しながら階段を落下すると見えたのだがー。
間一髪、その右足首に巻きつき、落下を防いだのは、一本の触手だった。
血流のカーテンが徐々に収まると、その背後から現れたのは、臓物を体の外にぶら下げた肉の塊、紗英である。
その臓物袋の隙間から伸び出た神経なのか血管なのかわからない触手状の器官が、明の命を救ったのだ。
「あ、ありがとう…」
逆さづりにされたまま、明は言った。
さすがに勃起は収まり、陰茎は元の皮をかぶったユムシに戻っていた。
それがいったん子をはらむと胎児とともに成長し、最終的には30センチ以上の長さにまで伸びるという。
体積にして数千倍に成長するのである。
今、膣ノイドから突き出た子宮ノイドが、まさにその状態だった。
子を宿しているかと見まごうほど膨張すると、いきなり噴出孔から多量の鮮血を噴き出したのだ。
「うわああっ!」
たまらず明は頭を抱えてうずくまった。
頭上から降り注ぐ生温かい血の雨は、一種異様な臭気を発している。
これが、生理の匂いだったのか…。
長年の疑問が一気に解けた気がした。
中学校、高校と、同級生の女子とすれ違う時、時々漂ってきたあの匂い。
あの、汗の匂いのようでそうでないような、なんだか生臭い奇妙な臭気は、彼女らがつけている芳香剤などの香りではなく、膣から漏れる経血の匂いだったのだ。
家族に女兄弟のいない明には、しょせん知るすべもない事実。
それをこの緊急の際に思い知らされて、明は生命の危機のさなかにもかかわらず、
「そうだったのか!」
すっくと立ちあがり、天を仰いでしまっていた。
が。
子宮ノイドの経血ビームは、そのくらいのことでは止まらない。
むろんそれはビームなどという光線技ではなく、単に体液の放出に過ぎないのではあるが、なんせ量が物凄い。
「うひゃあ!」
明はたちまち経血の奔流に足をとられ、回転しながら階段を落下すると見えたのだがー。
間一髪、その右足首に巻きつき、落下を防いだのは、一本の触手だった。
血流のカーテンが徐々に収まると、その背後から現れたのは、臓物を体の外にぶら下げた肉の塊、紗英である。
その臓物袋の隙間から伸び出た神経なのか血管なのかわからない触手状の器官が、明の命を救ったのだ。
「あ、ありがとう…」
逆さづりにされたまま、明は言った。
さすがに勃起は収まり、陰茎は元の皮をかぶったユムシに戻っていた。
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