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#73 四天王その二&その三④
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液晶画面を突き破って現れたのは、紛れもなく、人肉厨房の培養人間だった。
「あわわわわ」
明は尻餅をついた。
また出た、という思いと、
こいつは何だ?
という困惑が交差する。
そうー。
明には、目の前の怪人が、人体のどこをデフォルメしたものなのか、さっぱりわからないのだ。
「うふふふふふ、大神明、会いたかったよォ」
巨大なアワビが、周辺の肉襞を揺らめかせて、明にその”顏”を近づけてきた。
なんだか息が生臭い。
いや、この匂いは、前に嗅いだことがある。
あれはたしか、中学生や高校生の頃、教室で・・・。
「隠したって駄目だよォ、調べはついてるんだからさ。あんた、大神博士のひとり息子で、あのバイオノイド零式の恋人なんだろう?」
二度言われて、ようやくその言葉の意味が明の脳に浸透した。
俺が紗英の恋人?
苦い思いが込み上げてきた。
それが真実なら、どんなにいいことか。
が、すぐに思い直す。
いや、待てよ。俺は紗英の正体を知ってしまったのだ。
あのブヨブヨの肉の塊に対して、まだそんなことが言えるのか?
どっちにしろ、確かなのはー。
こいつが、無茶苦茶な勘違いをしてやがるってことだ。
「えっと、あなたは、な、何者ですか?」
相手の部位がわからないことには、話が先に進まない。
そう思った明は、とりあえず、それを確認することにした。
「やだ、あんた、わかんないの?」
と、怪人が両手を開いて大袈裟にのけぞってみせた。
「え、ええ・・・。人間に、そんな、アワビみたいな器官、ありましたっけ?」
ひきつった笑いを浮かべる明。
「はああ、さてはあんた、まだ童貞ね。うふっ、かわいい!」
怪人がくすくす笑いながら言った。
「いいわ。教えてあげる。あたしはねえ、世界中の男性の憧れの的、膣ノイドよ!」
「あわわわわ」
明は尻餅をついた。
また出た、という思いと、
こいつは何だ?
という困惑が交差する。
そうー。
明には、目の前の怪人が、人体のどこをデフォルメしたものなのか、さっぱりわからないのだ。
「うふふふふふ、大神明、会いたかったよォ」
巨大なアワビが、周辺の肉襞を揺らめかせて、明にその”顏”を近づけてきた。
なんだか息が生臭い。
いや、この匂いは、前に嗅いだことがある。
あれはたしか、中学生や高校生の頃、教室で・・・。
「隠したって駄目だよォ、調べはついてるんだからさ。あんた、大神博士のひとり息子で、あのバイオノイド零式の恋人なんだろう?」
二度言われて、ようやくその言葉の意味が明の脳に浸透した。
俺が紗英の恋人?
苦い思いが込み上げてきた。
それが真実なら、どんなにいいことか。
が、すぐに思い直す。
いや、待てよ。俺は紗英の正体を知ってしまったのだ。
あのブヨブヨの肉の塊に対して、まだそんなことが言えるのか?
どっちにしろ、確かなのはー。
こいつが、無茶苦茶な勘違いをしてやがるってことだ。
「えっと、あなたは、な、何者ですか?」
相手の部位がわからないことには、話が先に進まない。
そう思った明は、とりあえず、それを確認することにした。
「やだ、あんた、わかんないの?」
と、怪人が両手を開いて大袈裟にのけぞってみせた。
「え、ええ・・・。人間に、そんな、アワビみたいな器官、ありましたっけ?」
ひきつった笑いを浮かべる明。
「はああ、さてはあんた、まだ童貞ね。うふっ、かわいい!」
怪人がくすくす笑いながら言った。
「いいわ。教えてあげる。あたしはねえ、世界中の男性の憧れの的、膣ノイドよ!」
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