臓物少女

戸影絵麻

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#54 悪魔の契約①

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 数秒後、明はすべてを脱ぎ捨て、全裸でそこに立っていた。
 空調の効いた地下街は、寒くもなく、暑くもない、ほどほどの気温である。
 だが、明の体温は、時ならぬ興奮に急上昇していた。
 特に、股間の中心が、熱かった。
 陰茎が、勃起しているのである。
 裸を、他人に見られている。
 その意識が、ますます股間から生えた肉柱に力を注ぎ込んでいた。
 童貞の明は、天性のオナニストでもあった。
 小五で始めたので、オナニー歴は長い。
 その間、明の最も好きなやり方は、自慰をする己の姿を鏡に映してイクことだった。
 できれば人前で露出したい。
 そのナルシシズムが高じて、そこまで思いつめたこともある。
 思いつめた挙句、イオンの多機能トイレで全裸になり、猛る陰茎を握ってミルクが出るまで扱きまくったほどだ。
 さすがに全裸で勃起陰茎を扱きながら多機能トイレから外に出る勇気はなかったが、もしそうしていたら、自分は今頃留置場だろう、と何度も思ったものだ。
 その夢が、ひょんなことから今、かなったのであった。
「ヒャアアアア!」
 奇声を発しながら、明は走り出した。
 ぶらんぶらん揺れる股間の陰茎が心地よい。
 明の仮性包茎の生殖器官は普段は先端まで皮を被ってチューリップのつぼみのような形をしているのだが、今は勃起しすぎて包皮がめくれ、中から粘りのある体液で濡れた亀頭が顔を出していた。
 幸い、現場は尻ノイドが排せつした大量の糞尿に覆われているだけである。
 糞尿は体に付着しても害にはならない。
 最初、泥をかき分けるような感触が気持ち悪かったが、慣れてくればどうってことはない、
 明は大便の海と化した中央広場を円を描いて駆け回り、時々立ち止まってはギャハギャハ笑いながら下痢便を両手で掬って躰に塗った。
「な、なにやってるの? 明君!」
 女刑事の声が裏返った。
「あなた、気でも狂ったの?」
 盾を構えた機動隊員や拳銃に手をかけた警察官たちの中にも、著しい動揺が走っていた。
「何だあいつは? メタンガスに脳でもやられたのか?」
 
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