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#36 奇妙な潜伏生活⑧
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「そんなことがあったんですか・・・。一応、それはお気の毒に、と言っておくべきなんでしょうね」
笹原刑事が言った。
ふたりはリビングのテーブルで向かい合っていた。
ふたりというのは、刑事と明である。
紗英は風呂から自室に移動したものの、こんどは部屋に籠城して出て来ようとしない。
「嫌われたもんです」
明は重いため息をついた。
とりあえず、全裸ではない。
ちゃんと短パンとTシャツを身に着けている。
「俺が何をしたっていうんでしょうか」
「だから、射精でしょ?」
オブラートで包むでもなく、笹原刑事が突っ込んできた。
童顔に似合わぬストレートな物言いである。
「ふつう、それ、しないよね?」
「わざとじゃないんです。あいつが乳首抓むもんだから、我慢できずに、つい・・・」
明は真っ赤になってうつむいた。
あの時の感触が乳首によみがえり、ふいに勃ってくるのがわかった。
もちろん、三か所ともである。
「紗英ちゃんが部屋のドアを開けた時、そもそもどうして君は裸だったのかな?」
小首をかしげる笹原刑事。
若い女性とはいえ、そこは県警捜査一課の刑事である。
質問が的を射ている。
「そ、それは・・・」
明はますます赤くなる。
全裸でうつ伏せになり、勃起した性器を床に擦りつける己のあさましい姿が目に浮かぶ。
「もしかして、オナニー、してたとか?」
「え? あ、はい」
仕方なくうなずいた。
なじられるかと思いきや、
「仕方ないよね」
女刑事は意外に同情的だった。
「あんな魅力的な女の子がひとつ屋根の下にいたら、若い男性ならある意味ムラムラして当然かもね」
「・・・ですよね?」
わかってくれた。
地獄に仏とはこのことだ。
明は感動で涙ぐみそうになった。
目の前の爆乳女刑事が突然女神に見えてきた。
その女神が、なだめるような口調でつづけた。
「まあ、最初は色々あると思うよ。例えば私の好きなアニメでは・・・」
主人公の少年が、何かのきっかけで見ず知らずの美少女とひとつ屋根で生活するようになる。
最初のうちこそ、主人公とヒロインの仲は険悪だったけど、些細な出来事がきっかけで、徐々に改善されていく。
そして最後はハッピーエンド。
ふたりはめでたく結ばれるというオチが王道だ。
「てこともあるからさ」
いい人だ。
明の心に希望の灯がともる。
そうだ。
きっと俺にもまだチャンスはある。
だってこんな美人が言うんだから間違いない。
「ところで、何か、緊急な用件があるんじゃなかったんですか?」
気をよくしてそうたずねた時だった。
突然、女刑事の顔色が青ざめた。
「しまった! 一番大事なこと、忘れてた! 怪人が、新たな怪人が、都心に出現したんです!」
笹原刑事が言った。
ふたりはリビングのテーブルで向かい合っていた。
ふたりというのは、刑事と明である。
紗英は風呂から自室に移動したものの、こんどは部屋に籠城して出て来ようとしない。
「嫌われたもんです」
明は重いため息をついた。
とりあえず、全裸ではない。
ちゃんと短パンとTシャツを身に着けている。
「俺が何をしたっていうんでしょうか」
「だから、射精でしょ?」
オブラートで包むでもなく、笹原刑事が突っ込んできた。
童顔に似合わぬストレートな物言いである。
「ふつう、それ、しないよね?」
「わざとじゃないんです。あいつが乳首抓むもんだから、我慢できずに、つい・・・」
明は真っ赤になってうつむいた。
あの時の感触が乳首によみがえり、ふいに勃ってくるのがわかった。
もちろん、三か所ともである。
「紗英ちゃんが部屋のドアを開けた時、そもそもどうして君は裸だったのかな?」
小首をかしげる笹原刑事。
若い女性とはいえ、そこは県警捜査一課の刑事である。
質問が的を射ている。
「そ、それは・・・」
明はますます赤くなる。
全裸でうつ伏せになり、勃起した性器を床に擦りつける己のあさましい姿が目に浮かぶ。
「もしかして、オナニー、してたとか?」
「え? あ、はい」
仕方なくうなずいた。
なじられるかと思いきや、
「仕方ないよね」
女刑事は意外に同情的だった。
「あんな魅力的な女の子がひとつ屋根の下にいたら、若い男性ならある意味ムラムラして当然かもね」
「・・・ですよね?」
わかってくれた。
地獄に仏とはこのことだ。
明は感動で涙ぐみそうになった。
目の前の爆乳女刑事が突然女神に見えてきた。
その女神が、なだめるような口調でつづけた。
「まあ、最初は色々あると思うよ。例えば私の好きなアニメでは・・・」
主人公の少年が、何かのきっかけで見ず知らずの美少女とひとつ屋根で生活するようになる。
最初のうちこそ、主人公とヒロインの仲は険悪だったけど、些細な出来事がきっかけで、徐々に改善されていく。
そして最後はハッピーエンド。
ふたりはめでたく結ばれるというオチが王道だ。
「てこともあるからさ」
いい人だ。
明の心に希望の灯がともる。
そうだ。
きっと俺にもまだチャンスはある。
だってこんな美人が言うんだから間違いない。
「ところで、何か、緊急な用件があるんじゃなかったんですか?」
気をよくしてそうたずねた時だった。
突然、女刑事の顔色が青ざめた。
「しまった! 一番大事なこと、忘れてた! 怪人が、新たな怪人が、都心に出現したんです!」
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