臓物少女

戸影絵麻

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#13 逃避行⑤

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 パンチラのミニスカが必要悪?
 明はますます混乱した。
 この娘、人肉厨房とやらの研究所から逃げ出してきたんじゃなかったのか?
 それともそこで、性的な業務に従事させられていたとでもいうのだろうか。
 まあ、いい。
 一度目を閉じ、三角形の白い布切れの残像を脳裡から消し去るべく、明は深呼吸した。
「で、どこへ行けばいい?」
「あたしの話、聞いてなかったの?」
 少女がむっとした声で言い返す。
 口調には明らかに侮蔑の響きと棘がある。
「いや、あの、その」
 なんだっけ。
 反射的に少女の顔を見たら視界の下方の隅っこにアレが映り込んできた。
 くどいようだが、太腿のつけ根にチラ見えする白いデルタである。
「着替えが欲しいって、言わなかった? だから、大型ショッピングモールに寄ってほしいの」
 ああ、そうだった。
 つい数秒前に聞いたばかりだった。
 少女が見せつけてくる生パンツの威力に記憶がすべて吹き飛んでしまっていたのだ。
 ショッピングモールで着替えを買いそろえ、その後は、シャワーを浴びるために、ビジネスホテル。
 確か彼女はそう言っていなかったか。
 ん?
 そこまで思い出し、またしても明は固まった。
 ホテルだと?
 まさか俺も一緒に泊まるのか?
 万が一部屋がひとつしか空いていなかったら、もしかして同室で?
 いや、それなら最初からラブホでもよくないか?
 憧れのラブホ・・・。
 30代に突入する前に、やっとこの目で拝むことができるかも・・・。
「どうしたの?」
 少女がいぶかるような表情で、硬直していやな熱を発し続ける明を見た。
「また何か変なこと考えてるんじゃない?」
「い、いや、そ、そんな、ことは・・・」
 冷たい声にハッと我に返る明。
 とたんにこみ上げるのは後悔の念だ。
 何者なのだ、俺は?
 そう自問せざるを得ない。
 自分の馬鹿さ加減に腹が立つ。
 客観的に見れば、明が今置かれているのはかなり特殊な状況だ。
 悪の秘密組織から逃げ出した謎の美少女。
 少女を追う不気味な怪人たち。
 そして少女をかばって死んだ、生き別れの実の父。
 まるで子供向け特撮ヒーロー番組のオープニングみたいなこの状況で、俺は車を出すことすらできずにいる。
 なぜってー。
 美少女の匂やかな肢体に幻惑され、欲情のあまり情けなくも完全勃起し、射精どころか鼻血まで噴き出す一歩手前まで追い込まれてしまっているからだ・・・。
 
 
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