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#198 七人の侍バイオレンス版? ~十一人の賊軍~
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60年前に書かれた幻の脚本を元に、『孤狼の血』の白石監督が映画化した時代劇。
あらすじはこんなふう。
1868年、鳥羽・伏見の戦いをきっかけに、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍と、旧幕府軍による戊辰戦争が勃発する。そんな中、新政府に対抗するため、奥羽越列藩同盟が結成。その同盟にやむなく加わった新潟の小国・新発田(しばた)藩は、官軍の進撃を食い止める起死回生の一手として、藩に捕らえられていた死罪になるべき11人の罪人たちを、決死隊として砦を守る任に就かせる。彼らが官軍を足止めしている間に同盟軍をもてなし、同盟軍が出発した後改めて官軍を迎え入れ、官軍の傘下に入ろうという家老の姑息な作戦であったが、作戦が成功した暁には、砦に立てこもった罪人たちは、斬り捨てられる運命にあった…。
ここからは個人的な感想。
まず驚くのは、やたら音がでかいこと。
更に、首や肉片、血が容赦なく飛ぶ残虐描写がけっこう多いこと。
ストーリーのテンポはよく、2時間半を超える長尺をほとんど感じさせない。
主役のひとり、仲野大賀の殺陣が大迫力でとにかくかっこいい。
ただ、惜しむらくは、賊軍メンバーのキャラクターの掘り下げが浅く、今一つゲーム的戦略性に欠ける点。
巨漢の辻斬り、知的障害のある花火師、実は槍の達人である老人など、活躍するキャラクターもいるけれど、後のメンバーの影が薄く、居てもいなくても支障がないようなキャラも目立つ。
もう一人の主役、山田孝之演じる人足も、裏切りを繰り返すクズ的人物で、特に戦闘能力が高いわけでもない。
(最初の殺人やその出で立ちから、てっきり必殺仕事人の秀みたいなキャラかと思っていたら全然違った)
そのあたりが、『七人の侍』などに比べると、ちょっと弱い点といえるのではないでしょうか。
そんなわけで、面白いことは面白いけれど、かつて山田正紀が書いた『アグニを盗め』や『崑崙遊撃隊』などの冒険小説の名作群には、まだまだ及ばないという印象は、どうにも拭えませんでした。
あらすじはこんなふう。
1868年、鳥羽・伏見の戦いをきっかけに、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍と、旧幕府軍による戊辰戦争が勃発する。そんな中、新政府に対抗するため、奥羽越列藩同盟が結成。その同盟にやむなく加わった新潟の小国・新発田(しばた)藩は、官軍の進撃を食い止める起死回生の一手として、藩に捕らえられていた死罪になるべき11人の罪人たちを、決死隊として砦を守る任に就かせる。彼らが官軍を足止めしている間に同盟軍をもてなし、同盟軍が出発した後改めて官軍を迎え入れ、官軍の傘下に入ろうという家老の姑息な作戦であったが、作戦が成功した暁には、砦に立てこもった罪人たちは、斬り捨てられる運命にあった…。
ここからは個人的な感想。
まず驚くのは、やたら音がでかいこと。
更に、首や肉片、血が容赦なく飛ぶ残虐描写がけっこう多いこと。
ストーリーのテンポはよく、2時間半を超える長尺をほとんど感じさせない。
主役のひとり、仲野大賀の殺陣が大迫力でとにかくかっこいい。
ただ、惜しむらくは、賊軍メンバーのキャラクターの掘り下げが浅く、今一つゲーム的戦略性に欠ける点。
巨漢の辻斬り、知的障害のある花火師、実は槍の達人である老人など、活躍するキャラクターもいるけれど、後のメンバーの影が薄く、居てもいなくても支障がないようなキャラも目立つ。
もう一人の主役、山田孝之演じる人足も、裏切りを繰り返すクズ的人物で、特に戦闘能力が高いわけでもない。
(最初の殺人やその出で立ちから、てっきり必殺仕事人の秀みたいなキャラかと思っていたら全然違った)
そのあたりが、『七人の侍』などに比べると、ちょっと弱い点といえるのではないでしょうか。
そんなわけで、面白いことは面白いけれど、かつて山田正紀が書いた『アグニを盗め』や『崑崙遊撃隊』などの冒険小説の名作群には、まだまだ及ばないという印象は、どうにも拭えませんでした。
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