200 / 211
#196 45年ぶりの原点回帰 ~エイリアン・ロムルス~
しおりを挟む
1979年製作の『エイリアン』の正当な続編として位置する新作が大ヒット中。
原点回帰を謳うだけあって、予告編を見る限り、確かに初代『エイリアン』にそっくりです。
どこが変わったのか(進化したのか)この目で確かめるべく、劇場に足を運んでみました。
【あらすじ】
地球から65光年離れた所に位置する植民地惑星ジャクソン星は、年間日照時間0という劣悪な環境にあった。
そのジャクソン星のウェイランド・ユタニ社の鉱山で働くレイン・キャラダインは、亡き父によって「レインの安全確保」を第一指令にプログラムされた旧式アンドロイドのアンディを”弟”として、家賃にもこと欠く逼迫した生活を送っていた。レインは遠いユヴァーガ第三惑星への移住を切望していたが、ユタニ社によって労働契約期間を不当に延長され、絶望の淵に突き落とされる。
そこに、レインの元恋人のタイラーから連絡があり、レインは彼から秘密の計画を打ち明けられる。
その計画とは、ジャクソン星の軌道上を漂流する、放棄されたユタニ社の宇宙船に忍び込み、冷凍休眠ポッドを盗み出してそれを使い、ユヴァーガ星へ脱走するという危険なものだった。そのためには、ユタニ社のシステムに侵入できるユタニ社製アンドロイド、アンディが必要だというのだ。
レインとアンディ、タイラーとその妹ケイ、タイラーの従弟ビヨン、ビヨンの恋人でパイロットのナヴァロの6名は作業用貨物用宇宙船コーベラン号に乗り込み、放棄された宇宙船――ロムルスとレムスの2区画で構成される研究用宇宙施設──にたどり着く。タイラー、ビヨン、アンディはレムスで冷凍休眠ポッドを見つけた後、冷凍燃料を求めて侵入した熱管理室に閉じ込められてしまう。妊娠中でつわりに苦しむケイを貨物船に残し、レインとナヴァロは3人の救助に向かう。途中、レインはアンディのアクセス権を拡張するため、破壊されたアンドロイドからチップを抜き取り、ドアの隙間からタイラーに渡してアンディに組み込ませる。その時、休眠状態のフェイスハガーが一斉に覚醒して一同を襲い、ナヴァロが寄生されてしまう…。
過酷な環境にある植民地惑星ジョンソンでの生活が語られる序盤は、『ブレードランナー』をほうふつとさせていい感じ。主人公レインの”弟”、アンドロイドのアンデイがチップが旧式のため、子供のような性格であるのも新鮮。
これまでの作品と異なり、レインを含め、主要登場人物6人全員が一般人の若者であることも目新しいし、彼らが未来のない環境でブラック企業の過酷な労働に追い詰められ、新天地を求めて宇宙へ、という設定も感情移入しやすいものになっています。
そんな期待感全開のスタートでしたが、これが不思議なことに、6人がいざロムルスに着き、危機に遭遇する段になると、とたんに既視感満載の流れになっていきます。
それでも、
「飛び跳ねながら猛スピードで襲い来るフェイスハガーの大群からいかに逃げるか」
「強酸性のエイリアンの血液で最下層の船倉の床に穴を開けることなく、彼らを銃で倒すにはどうしたらいいのか」
などの新しいアイデアも各所にちりばめられていて、これ、見たことあるなあと思いつつも、そこそこ楽しむことは可能です。
45年ぶりの進化として目を引くのは、あのリプリーに代わる新しいヒロイン、レインのキャラ造形でしょうか。
10代の少女みたいなあどけない容貌で小柄ながら、タンクトップにショーパンという格好で腰を低く落として武骨なパルスライフルを手にエイリアン成体のゼノーモフやラスボスの〇〇〇に立ち向かっていく姿はとにかくけなげでかっこいい。
また、ファン感涙のネタがあちこちに仕掛けられていて、それを探すという楽しみもありましょう。
まあでも、SFXの面ではそれほどの変化を感じなかったのは、一作目の『エイリアン』がいかに優れた作品だったかという証のような気がします。
贅沢言うと、とにかく画面が暗くて船内の位置関係がわかりにくいので、RPGゲームみたいに常に画面の片隅にマップを表示してほしかったです。
原点回帰を謳うだけあって、予告編を見る限り、確かに初代『エイリアン』にそっくりです。
どこが変わったのか(進化したのか)この目で確かめるべく、劇場に足を運んでみました。
【あらすじ】
地球から65光年離れた所に位置する植民地惑星ジャクソン星は、年間日照時間0という劣悪な環境にあった。
そのジャクソン星のウェイランド・ユタニ社の鉱山で働くレイン・キャラダインは、亡き父によって「レインの安全確保」を第一指令にプログラムされた旧式アンドロイドのアンディを”弟”として、家賃にもこと欠く逼迫した生活を送っていた。レインは遠いユヴァーガ第三惑星への移住を切望していたが、ユタニ社によって労働契約期間を不当に延長され、絶望の淵に突き落とされる。
そこに、レインの元恋人のタイラーから連絡があり、レインは彼から秘密の計画を打ち明けられる。
その計画とは、ジャクソン星の軌道上を漂流する、放棄されたユタニ社の宇宙船に忍び込み、冷凍休眠ポッドを盗み出してそれを使い、ユヴァーガ星へ脱走するという危険なものだった。そのためには、ユタニ社のシステムに侵入できるユタニ社製アンドロイド、アンディが必要だというのだ。
レインとアンディ、タイラーとその妹ケイ、タイラーの従弟ビヨン、ビヨンの恋人でパイロットのナヴァロの6名は作業用貨物用宇宙船コーベラン号に乗り込み、放棄された宇宙船――ロムルスとレムスの2区画で構成される研究用宇宙施設──にたどり着く。タイラー、ビヨン、アンディはレムスで冷凍休眠ポッドを見つけた後、冷凍燃料を求めて侵入した熱管理室に閉じ込められてしまう。妊娠中でつわりに苦しむケイを貨物船に残し、レインとナヴァロは3人の救助に向かう。途中、レインはアンディのアクセス権を拡張するため、破壊されたアンドロイドからチップを抜き取り、ドアの隙間からタイラーに渡してアンディに組み込ませる。その時、休眠状態のフェイスハガーが一斉に覚醒して一同を襲い、ナヴァロが寄生されてしまう…。
過酷な環境にある植民地惑星ジョンソンでの生活が語られる序盤は、『ブレードランナー』をほうふつとさせていい感じ。主人公レインの”弟”、アンドロイドのアンデイがチップが旧式のため、子供のような性格であるのも新鮮。
これまでの作品と異なり、レインを含め、主要登場人物6人全員が一般人の若者であることも目新しいし、彼らが未来のない環境でブラック企業の過酷な労働に追い詰められ、新天地を求めて宇宙へ、という設定も感情移入しやすいものになっています。
そんな期待感全開のスタートでしたが、これが不思議なことに、6人がいざロムルスに着き、危機に遭遇する段になると、とたんに既視感満載の流れになっていきます。
それでも、
「飛び跳ねながら猛スピードで襲い来るフェイスハガーの大群からいかに逃げるか」
「強酸性のエイリアンの血液で最下層の船倉の床に穴を開けることなく、彼らを銃で倒すにはどうしたらいいのか」
などの新しいアイデアも各所にちりばめられていて、これ、見たことあるなあと思いつつも、そこそこ楽しむことは可能です。
45年ぶりの進化として目を引くのは、あのリプリーに代わる新しいヒロイン、レインのキャラ造形でしょうか。
10代の少女みたいなあどけない容貌で小柄ながら、タンクトップにショーパンという格好で腰を低く落として武骨なパルスライフルを手にエイリアン成体のゼノーモフやラスボスの〇〇〇に立ち向かっていく姿はとにかくけなげでかっこいい。
また、ファン感涙のネタがあちこちに仕掛けられていて、それを探すという楽しみもありましょう。
まあでも、SFXの面ではそれほどの変化を感じなかったのは、一作目の『エイリアン』がいかに優れた作品だったかという証のような気がします。
贅沢言うと、とにかく画面が暗くて船内の位置関係がわかりにくいので、RPGゲームみたいに常に画面の片隅にマップを表示してほしかったです。
1
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説



サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる