気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#193 ループものの元祖にして頂点 ~バタフライ・エフェクト~

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 2005年公開の映画。
 当時としては斬新なSF的アイデアでスマッシュヒットして、第3作まで作られました。
 20年も前の作品をなぜ今になって?
 というと、実はこれ、理由があります。
 ついこの間、再結成のニュースが流れて世間を驚かせた英国の人気バンド、あのOasisが、この映画のラストに挿入される主題曲を歌っていることをつい最近知り、それで再度見直してみることにしたのです。

【あらすじ】(wikより)
 時折、短時間の記憶を喪失することがあった少年エヴァンは、心理療法士の勧めで治療の一環として日記を書き始める。大学生になり、記憶喪失の症状が丸7年起こらなかったことに喜び、日記を読み返すと、その日記に書かれている過去の時点に戻れる能力がある事に気づく。自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまった事を知ったエヴァンは、過去に戻り運命を変える事を決意する。しかし、過去に戻り、選択肢を変えることによって変化した現在では、必ずエヴァン本人もしくは彼が救おうとした誰かが不幸になっていた。何度過去をやり直してもケイリーを幸せに出来ないと知ったエヴァンは、ある決断をする。

 恋人を救うために何度も過去に戻ってやり直すー。
 今ではもう手垢のついたアイデアですが、流行りのマルチバースとかうだうだ言わずにただひたすらシンプルな歴史改編の物語は、今見てもすがすがしさすら感じます。
 特にこの作品のすごいのはやはり切れ味のいいエンディング。
 実はこの映画、エンディングが4つあって、
 劇場版のエンディングはただひたすら切ない。
 希望を持たせる作りの別バージョンとして、、『ストーカー編』『涙のハッピーエンド編』の2つ。
 が、なんといっても破壊力抜群なのは『ディレクターズカット編』のエンディング。
 その強烈な一撃を食らったあとはもう、無常感すら覚えるほど。

 4つのバージョンを見比べると、やはり劇場版が一番しっくり来ることがわかります。
(ここで、オアシスの名曲『Stop Cryng Your Heart Out』が流れます。)

 前々回で『デッドプール3』のマルチバース、前回で『すずめの戸締まり』の恋愛至上主義を批判しておきながら、その両者の要素を備えたこの『バタフライ・エフェクト』を持ち上げるのは矛盾しているようですが、そこはもう、見ていない人はぜひ見てくださいと言うほかないですね。
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