気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
195 / 211

#191 和製ホラーの変奏曲 ~サユリ~

しおりを挟む
 白石晃士監督の新作。
 白石監督といえばなんといっても2005年公開の「ノロイ」。
 筆者が唯一怖いと思った和製ホラーです。
 ということで期待は高まるのですが、さて、結果は…。

【あらすじ】
 念願の一戸建てに引っ越してきた神木家。夢のマイホームでの生活がスタートしたのもつかの間、どこからか聞こえる奇怪な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいく。神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。次男、長女、母が目の前で相次いで死を遂げ、長男・則雄の前にもサユリの影が。
 その時、認知症の祖母・春枝が突然覚醒し、「復讐じゃ。アレを地獄送りにしてやる」と力強く言い放つ。
 則雄はカンフーの達人でもある祖母と2人、家族を奪ったサユリへのリベンジマッチに挑む。

 あらすじでもわかる通り、前半は王道の和製ホラー、後半はギャグとシリアスの混在したバトルもの。
 美少女の悪霊かと思いきや、その実ダンプ松本がゾンビになったらかくやという姿のサユリ、立ち向かう根岸希衣演ずるスーパーばあさん、生命力の象徴ともいえる下ネタでここぞという時危機を回避する孫の則雄など、それぞれキャラが立っていて面白い。
 できるなら予備知識なしで見たかったというのが正直なところ。
 「和製ホラーでは人間が必ず負け組になる。その常識をひっくり返したかった」という白石監督の狙いは見事に当たったというべきでしょう。

 ただ、個人的なことを言えば、最近、何を見ても怖くない。
 昔、「エクソシスト」や「死霊のはらわた」を見た時は確かに怖くて体が動かないくらいだったのに、いつの頃からか、見過ぎて馴れてしまったのか、どんなホラー映画にも全然恐怖を感じなくなってしまったのが、少し悲しいです。
 この「サユリ」の前半も、おそらく普通の人にはけっこう怖いのではと見ていて客観的には思うのですが、主観的にはそれが全然で、この状況はついこの前YouTubeで無料配信していた「仄暗い水の底から」を見た時も同じかな。

 いつかまた、恐怖で椅子から立てなくなるほど恐ろしいホラー映画が見たいです。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...