気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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♯178 こんなに人気があったとは ~鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎~

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 封切りから1か月ほど経っているのに、劇場はかなりの入り。
 客層もバラエティーに富んでいて、親子連れから中高生のグループ、若いカップル、老夫婦などいろいろ。
 鬼太郎のアニメが何期も繰り返し放映されてたのは知ってましたが、まさかこんなに人気があるなんてとびっくり。むろん、それにはこの映画も評判の高さも大きく寄与しているのでしょうが。

 あらすじはこんなふう。(ウィキのを要約)

 昭和31年、当時の日本の政財界を牛耳っていた龍賀一族の当主、龍賀時貞が死去。帝国血液銀行に勤める水木は龍賀一族の経営する製薬会社「龍賀製薬」の担当者であり、時貞の娘婿である社長の龍賀克典とは懇意にしていた。克典に自身の顔を売り出世の足掛かりとすべく、東京から龍賀一族が暮らす哭倉村へと向かう。

 哭倉村へ到着した水木は、龍賀家の邸宅で、克典や夫人の乙米をはじめ、一族が集まる場へ招かれる。
 そこで、時貞の遺言書が読み上げられると、次期龍賀家当主は克典だろうという水木の思惑に反し、引きこもりだった時貞の長男・時麿が指名されてしまう。

 だが、その翌朝、当の時麿が何者かに惨殺される。村長の長田幻治が容疑者として捕らえたのは、行方不明の妻を探すため村に現れた謎の男。男は時麿殺害の容疑をかけられ、殺されそうになるが、水木の説得により命拾いする。名乗らない男に水木は仕方なくゲゲ郎というあだ名をつける。

 ゲゲ郎を訝しがる水木だったが、やがて彼がかつて地球を支配していた先住民、幽霊族の末裔であると知る。彼の影響で水木はやがて妖怪を見る力に目覚めるが、龍賀家の者が次々と惨殺される事件は続き、龍賀の人々には不安が広がっていく。

そんな中、水木は哭倉村にやってきたもう一つの理由をゲゲ郎に明かす。実は龍賀製薬は、使用した者の生命力を増強し、数日間不眠不休で働き続けることを可能にする血液製剤「M」を密かに開発して特定の顧客にのみ販売していた。Mはその効能により日清戦争以降の勝利に貢献したとの噂で、これにより龍賀一族は政財界をも牛耳る程の権勢を誇っていたというのだ。水木はMの利益を得んとする会社の密命により、そのMの秘密を暴くため哭倉村にやって来たのである…。

 
『本陣殺人事件』『悪魔の手毬唄』『八墓村』等の、往年の横溝正史作品をほうふつとさせる前半、そこに太平洋戦争時の惨劇、近親相姦、人体実験などの要素が絡み、更に鬼太郎ならではの妖怪バトルと、息をもつかせぬストーリー展開は素晴らしいです。
 個人的には、血液製剤Mの使用目的がとにかく怖い。
 戦時中は不眠不休の兵士を作るため、高度成長期には24時間働ける企業戦士を作るためー。
 リゲインの『24時間働けますか』のCMを克明に覚えている身としては、マジでこれ、冗談ごとでは済まされないぞって感じでしたね…。

 不満を言えば、ちょっと狂骨、出過ぎじゃない?ってこと。
 裏鬼道の長田が操るのも狂骨、連続殺人の犯人が操るのも狂骨、ラスボスも狂骨と、とにかく大物の妖怪といえば狂骨しか出てこないので、ありがたみが薄れてしまうというか…。
 もっとほかの妖怪も、いろいろ出してほしかったですね。
 
 まあでも、『ゴジラ-1.0』といい、戦後を題材にした映画として、これも泣けることは確かです。

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