気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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♯175 杉咲花のすごさ爆発 ~法廷遊戯~

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 この『法廷遊戯』は、五十嵐律人のリーガルサスペンスの映画化です。
 
 監督:深川栄洋(『白夜行』)
 脚本:松田沙也(『総理の夫』)
 主演:永瀬廉(King&Prince)、杉咲花、北村匠海

【あらすじ】

ロースクールに通う久我清義(セイギ)は、幼なじみの織本美鈴、在学中に司法試験に合格した天才、結城馨らと共に勉強漬けの日々を送っていた。スクールでは、結城が主宰する模擬法廷『無辜ゲーム』が、学生たちの息抜きのために開かれていたが、ある日、セイギが自分の過去を暴露するビラを撒いた犯人を糾弾すべく、美鈴とともに、この『無辜ゲーム』に参加する。
数年後、司法試験に合格し、晴れて弁護士となった清義のもとに、馨から久しぶりに無辜ゲームの誘いがくる。呼び出された場所に向かった清義が目にしたのは、血のついたナイフを手にした美鈴と、息を引き取った馨の姿だった。
無実を訴える美鈴に弁護を依頼されたセイギは、勤めていた法律事務所を辞めて独立し、新たな事務所を立ち上げて彼女の弁護に専念するが、美鈴はセイギに対しても黙秘を続け、何一つ語ろうとしないのだった…。

 キャッチコピーの通り、二転三転はおろか、三転四転するストーリーは面白く、眠気を感じる暇もありません。
 主役の三人もそれぞれの役をしっかり演じ切って、安心して見ていられます。
 特に紅一点の杉咲花の振り幅の大きい怪演技はすさまじく、美鈴をここまで壊した過去をほうふつとさせずにはいられません。実際、モノクロで描かれる美鈴とセイギの回想シーンは、胸をえぐるじんわり感。これって『白夜行』じゃんと思ったら、監督がまさにその『白夜行』を撮った方でした。

 もっとも、見終わった後、あれ? と思う点もいくつかあります。
 そもそも、結城はなぜこんなまわりくどいことをしなければならなかったのか。
 父の仇とわかっている人物と、あんなふうに親しく付き合えるものなのか。
 原作にはきっとそのあたりの説明があるのでしょうが、映画ではよくわかりませんでした。
 まあでも、見て損はない作品であることは確かです。
 主演の永瀬簾は渦中のジャニーズのKing&Princeのメンバーですが、演技もできるし、これからも活躍してほしい役者さんの一人です。

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