気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#166 ある意味和製ターミネーター? ~最後まで行く~

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 この『最後まで行く』は、2015年公開の韓国映画をリメイクしたクライムサスペンス。
 監督は、『余命10年』などの藤井道人。
 岡田准一、綾野剛のクセ強俳優のW主演です。

 あらすじはこんなふう。

 12月29日。刑事・工藤(岡田准一)は、危篤の母のもとへ急ごうと雨の中で車を走らせていると、スマートフォンに署長から着信が入り、署内での裏金作りへの関与を問われる。
 さらに続く電話で妻から母の死を知らされて混乱した工藤は、ふいに車の前に現れた男をひいてしまう。
 パニックに陥り、後先も考えず、男の死体を車のトランクに入れてしまう工藤。
 その直後、運悪く警察の検問にひっかり、トランクを開けられそうになるが、突如現れた県警本部監察官の矢崎(綾野剛)のおかげでなんとかその場を凌ぎ、病院に到着。
 進退窮まった末、工藤は葬儀場で母とともに男の死体を焼こうとするが。そこへ「お前は人を殺した。知っているぞ」とのメッセージが届く。なぜか送信主はあの監察官・矢崎。
 実は彼も、工藤がひいた男を追う、悪徳警官だったのだ・・・。

 畳みかけるような演出は、オリジナルが韓国映画だからでしょうか。
 落ち着いたかな、と思うと、ほっとする間もなくすぐ新たなハプニングが発生し、テンポよく話は進みます。
 実際、ラストシーンはその最たるもので、ある意味『ターミネーター』か『キャリー』みたい。
 主人公の工藤が血まみれになりながらも離婚寸前だった妻(広末涼子)と和解し、めでたしめでたし、こりゃよかった、と思ったら、全然そうじゃなかった。ああ、タイトルの意味はここにあったのか、と思い知らされる演出にはなかなか唸らされるものがあります。ついにイってしまうここでの岡田准一と綾野剛の鬼気迫る笑顔は一見の価値あり、とだけつけ加えておきましょうか。
 

 ただ、残念なのは、ネットのレビューでは、シリアスものではなく、アクションコメデイであるとの評が多かったので、『ファブル』のノリを期待して見に行ったのですが、そこまで笑えるところがなかった点。

 あと、今回の映画でもメインキャストを務める柄本明などがそうですが、邦画というと脇役の顔ぶれがどうしても限られてしまい、TVドラマとごっちゃになって既視感ありまくりになること。もう少し人材の幅を広げてほしいと思うのは私だけではありますまい。

 

 
 
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