気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#164 結晶化された至福の2時間 ~THE FIRST SLAM DUNK~

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 『スラムダンク』については、以前、漫画を通して読んだ程度。
 アニメも見ていないので、記憶に残っているのは、桜木花道とゴリ、そしてあの安西先生の名台詞、「諦めたら、試合終了ですよ」くらい。
 あとは、中途半端な終わり方だなあ、と思ったこと。

 そんな、にわかファンともいえない私が、GWということで久しぶりにメジャーなアニメを観て来ました。

 SF作家の山田正紀の短編に、『交差点の恋人』(うろ覚えなので、タイトル違うかも)というのがあって、確か『神獣聖戦』シリーズの一編だったと思うのですが、

 交差点で信号待ちをしているバイクか自転車に乗ってる女の子が信号が赤になって止まってから青になって走り出すまでの数分の間に、彼女の体内で宇宙の命運を賭けて二大勢力が戦う、という凄い話があって、当時無茶苦茶感動したことがあるのですが、今回の映画版スラムダンクは、何かそれに似た強烈なインパクトを持った傑作でした。


映画『THE FIRST SLAM DUNK』の物語は、漫画版のラストで描かれたインターハイでの神奈川県立湘北高校対秋田県立山王工業高校の試合を軸として進行します。
それと並行して湘北高校7番宮城リョータの過去が描かれていくのですが、試合の展開とリョータの物語を追ううちに、観る者はたとえスラムダンク初心者でもその世界観を克明に体験、理解できてしまうという、まさに離れ業のように緻密かつ見事な構成にほんと、感動しかなかったという感じです。

 人気漫画やアニメの映画化というと、大ヒット作といわれるものでも、結局はファンでないと楽しめないみたいなのが多い中で、この作り込み方はすごいですよね。
 さすが、原作者が監督まで担っているだけのことはあると言いましょうか。
 
 試合シーンのリアルさなど、この映画の見どころについては、色々なところでこの映画を見た方々が詳しく解説されているので、今更門外漢の私がここで触れる必要もないでしょう。

 が、とにかく。

『1試合の中にすべてを詰め込んで結晶化させてしまった大傑作』

 見終わってそんな印象を受けたことだけは、この場に記しておきたいと思います。
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