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#162 歪み方がとてもいい ~シン・仮面ライダー~
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公開早々、ネット上でも賛否が渦巻いている『シン・仮面ライダー』。
『シン・ウルトラマン』では脚本に回っていた庵野秀明氏が監督を務めた最新作です。
あらすじはこんな風。
人外融合型改造人間クモオーグに追われる緑川ルリ子と本郷猛。
ふたりはショッカーから脱走したところだった。
辛くもクモオーグの手から逃れた本郷猛は、辿り着いた隠れ家でルリ子の父親、緑川博士に遭い、自分がなぜ超人的な身体能力を持つようになったのかを聞かされる。それによると猛は他者の生命からプラーナなるものを吸収し、それをベルトのファンで圧縮して体内に取り込むことで、昆虫融合型改造人間バッタオーグに変身できるのだという。また、博士をはじめとして3人が所属していたショッカーというのは、日本の大富豪がAIに創らせた、人類の幸福を実現するための組織で、全人類の最大幸福ではなく、最も絶望している一部の人々を救うことで全体に幸福を与えることを目的とし、最近ではプラーナを私的に悪用しているのだという。
博士にショッカーを倒すために協力してほしいと頼まれる猛だが、そこに追撃してきたクモオーグが出現し、博士を殺してしまう。超人的な戦闘能力でクモオーグを倒し、ルリ子とともに次の隠れ家に向かった猛は、そこで政府機関の人間、立花・滝のコンビと出会い、ショッカー壊滅を依頼される。
ルリ子を失い、それでも戦い続ける猛の前に最後に立ちはだかったのは、ルリ子の兄、蝶オーグ。彼は全人類のプラーナをハビダット世界に送り込み、そこで全員が嘘偽りなく生きることを目的としていた・・・。
のっけから『プラーナ』だの『ハビダット世界』だの聞き慣れない単語が出てきますが、説明はほとんどなし。
こりゃスピリチュアルかと思いつつ見ていると、根本アイデア部分はエヴァの『人類補完計画』でした。
ただ、「人間が魂だけの存在になって本心が分かり合えてしまう世界なんて地獄』という解釈は『まごころを君に』よりは一歩前進か。『シン・エヴァ』は最後のひとつを見ていないのでなんともいえないんですけど。
結論から言いますと、特に仮面ライダーファンでない私でも、けっこうおもしろかったです。
アンチ庵野秀明の人たちが色々けなしたりしてるけど、いやあ、やっぱりあの歪み方はいいなあ、と思った次第。
『シン・ウルトラマン』での巨大化・ローアングルショットを酷評された長澤まさみが、よりセクシー度を増したサソリオーグとなって登場するわ、ショッカーの戦闘員や怪人たちはやられるたびに血反吐や血糊を撒き散らすわで、あたかも庵野氏が、コンプライアンス第一の令和の風潮に唾を吐きかけるようなこのつくり。
しかもクモオーグ、コウモリオーグ、ハチオーグ、KK(カメレオン・カマキリ)オーグなど、登場する怪人たちはみんな心を病んでいて、特に戦う時のハチオーグ(西野七瀬)の心の叫びは思いっきりマゾな百合少女のそれで、いやマジでよかったなあ。その分、ラスト近くの主人公の陳腐な人類肯定性善説的な台詞にはがっかりですが、そうでもしないとインモラルすぎて製作委員会が許さないみたいな圧力があったかもですね。
公開されていなかったシークレットな配役がものすごく豪華なので、それを探すのも楽しみだし、ヒロインの浜辺美波は腕によりをかけて美しいし、エヴァファンでなくても楽しめる作品だと思います。
まあでも、見る人を選びすぎて、前二作ほどはヒットしなさそうですが・・・。
どうせこの先の邦画はドラえもんだのコナンだののアニメ一色になるの、もう目に見えてるしね。
『シン・ウルトラマン』では脚本に回っていた庵野秀明氏が監督を務めた最新作です。
あらすじはこんな風。
人外融合型改造人間クモオーグに追われる緑川ルリ子と本郷猛。
ふたりはショッカーから脱走したところだった。
辛くもクモオーグの手から逃れた本郷猛は、辿り着いた隠れ家でルリ子の父親、緑川博士に遭い、自分がなぜ超人的な身体能力を持つようになったのかを聞かされる。それによると猛は他者の生命からプラーナなるものを吸収し、それをベルトのファンで圧縮して体内に取り込むことで、昆虫融合型改造人間バッタオーグに変身できるのだという。また、博士をはじめとして3人が所属していたショッカーというのは、日本の大富豪がAIに創らせた、人類の幸福を実現するための組織で、全人類の最大幸福ではなく、最も絶望している一部の人々を救うことで全体に幸福を与えることを目的とし、最近ではプラーナを私的に悪用しているのだという。
博士にショッカーを倒すために協力してほしいと頼まれる猛だが、そこに追撃してきたクモオーグが出現し、博士を殺してしまう。超人的な戦闘能力でクモオーグを倒し、ルリ子とともに次の隠れ家に向かった猛は、そこで政府機関の人間、立花・滝のコンビと出会い、ショッカー壊滅を依頼される。
ルリ子を失い、それでも戦い続ける猛の前に最後に立ちはだかったのは、ルリ子の兄、蝶オーグ。彼は全人類のプラーナをハビダット世界に送り込み、そこで全員が嘘偽りなく生きることを目的としていた・・・。
のっけから『プラーナ』だの『ハビダット世界』だの聞き慣れない単語が出てきますが、説明はほとんどなし。
こりゃスピリチュアルかと思いつつ見ていると、根本アイデア部分はエヴァの『人類補完計画』でした。
ただ、「人間が魂だけの存在になって本心が分かり合えてしまう世界なんて地獄』という解釈は『まごころを君に』よりは一歩前進か。『シン・エヴァ』は最後のひとつを見ていないのでなんともいえないんですけど。
結論から言いますと、特に仮面ライダーファンでない私でも、けっこうおもしろかったです。
アンチ庵野秀明の人たちが色々けなしたりしてるけど、いやあ、やっぱりあの歪み方はいいなあ、と思った次第。
『シン・ウルトラマン』での巨大化・ローアングルショットを酷評された長澤まさみが、よりセクシー度を増したサソリオーグとなって登場するわ、ショッカーの戦闘員や怪人たちはやられるたびに血反吐や血糊を撒き散らすわで、あたかも庵野氏が、コンプライアンス第一の令和の風潮に唾を吐きかけるようなこのつくり。
しかもクモオーグ、コウモリオーグ、ハチオーグ、KK(カメレオン・カマキリ)オーグなど、登場する怪人たちはみんな心を病んでいて、特に戦う時のハチオーグ(西野七瀬)の心の叫びは思いっきりマゾな百合少女のそれで、いやマジでよかったなあ。その分、ラスト近くの主人公の陳腐な人類肯定性善説的な台詞にはがっかりですが、そうでもしないとインモラルすぎて製作委員会が許さないみたいな圧力があったかもですね。
公開されていなかったシークレットな配役がものすごく豪華なので、それを探すのも楽しみだし、ヒロインの浜辺美波は腕によりをかけて美しいし、エヴァファンでなくても楽しめる作品だと思います。
まあでも、見る人を選びすぎて、前二作ほどはヒットしなさそうですが・・・。
どうせこの先の邦画はドラえもんだのコナンだののアニメ一色になるの、もう目に見えてるしね。
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