気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#156 ゴジラ生誕50周年記念作品はこれだった! ~ゴジラFINAL WARS~①

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 皆さま、あけましておめでとうございます。

 今年はゴジラ生誕70年の記念すべき年です。

 だからというわけでもないのですが、なんとなくまた観ちゃいましたよ。『ゴジラ ファイナルウォーズ』。

 2004年、ゴジラ生誕50周年の作品で、第28作目。『シン・ゴジラ』を除くと、国内最後のゴジラ映画です。

 監督は『あずみ』の北村龍平。あらすじはこんなふう。



 西暦20XX年。

 世界中で核実験や戦争が頻発した結果、眠っていた怪獣たちが目覚め、人類に牙を剥く。
これに対抗するため、国際連合は地球防衛軍を結成。
同時に、類より優れた能力を持つミュータントたちによる特殊部隊「M機関」を組織した。
人類の最大の敵であるゴジラは、20年前に地球防衛軍の旗艦、轟天号によって南極の氷塊の中へ封じ込められていた。

 轟天号は、ノルマンディー沖の海底にてマンダを撃退。
が、艦長のダグラス・ゴードン大佐は命令違反で軍法会議に。M機関隊員尾崎真一は、国連から派遣された科学者・音無美雪の護衛に命じられ、北海道沖にて発見された怪獣のミイラの調査に向かうことになる。

 そのころ、日本人初の国連事務総長である醍醐の乗った飛行機が消息を絶ち、それを契機として世界中に大量の怪獣が同時に現れる。ところが、苦戦する地球防衛軍の前で突如怪獣が消滅。同時に巨大UFOが東京上空に出現する。中から現れたのは飛行機事故で消息を絶っていた国連事務総長の醍醐。彼を救出したのはX星人と名乗る宇宙人で、このUFOは彼らのものだと言う。X星人は地球に妖星ゴラスが迫っていると危機を呼びかけ、友好の証として怪獣を消滅させたのだ。世界はX星人への歓迎ムード一色となるが、実はこれこそ、地球人を家畜として収穫にやってきたX星人の仕掛けた罠だった。
尾崎とゴードン大佐らは轟天号で南極に行き、ゴジラを起こして日本に連れ帰り、X星人の操る怪獣たちと戦わせようともくろむ。

 無敵のゴジラは尾崎たちの期待通り、アンギラス、ラドン、キングシーサー、ジラ、カマキラス、クモンガ、エビラ、ヘドラ、ガイガンなど、襲い来る怪獣たちを次々に撃破していくのだが、最後に相まみえることになったのは、X星人の最終兵器で最強の宇宙怪獣モンスターXだった・・・。

 
 どうです?
 ストーリーを読む限りでは、これ、なかなかおもしろそうでしょう?
 X星人が登場していろんな怪獣を操るところは旧作のリメイクっぽいですが、実際に今見ても、前半のテンポの良い展開はかなりのいきおいでドキドキします。佐野史郎が変人役で登場して、「古きものどもがやってくるぞォ~」などと国会議事堂で暴れたり、遊び心も豊かです。

 ただこの作品、ゴジラファンにはすこぶる評判が悪く、200年からスタートしたミレニアムシリーズ最終作にしては興行成績も振るわず、ワースト3位のありさまだったそう。
 ご覧になるとすぐにおわかりになるかと思いますが、たしかにそれもむべなるかなで、なんせこの映画、

 ミュータント同士の格闘シーンが無駄に長すぎる。

 松岡昌宏とケイン・コスギの、明らかに『マトリックス』を意識したアクションシーンが事あるごとに延々と続き、心ある怪獣映画ファンならば、「早く怪獣出せよ!」と言いたくなること請け合いなのです。

 まあ、ゴジラ映画として見ないのであれば、これはこれで面白いと言えないこともないのですが・・・。
 現に北村一輝のキレたX星人は最高だし、ミニラと珍道中を繰り広げる泉谷しげるは良い味出してるし、水野真紀と菊川怜はなぜか最初から最後まで超ミニスカートを履かされてるし出てくる怪獣は多いしで、見どころ満載で私はけっこう好きだったりする・・・。

 
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