気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
152 / 211

#149 【ドラマ部門】 アストリッドとラファエル 文書係の事件録

しおりを挟む
 ついこの間、地上波でシーズン1が終わったフランス発のミステリ・ドラマです。
 正直、今年のドラマの中で、これが最高峰だと思うのですが、ご覧になった方、いかがでしょうか。

 あらすじをウィキより引用させていただくと、こんなふう。

 パリ警視庁の警視ラファエルは、とある事件に関して犯罪資料局に資料請求したことで、局の文書係アストリッドと出会う。アストリッドは自閉症であり、対人関係に困難を抱えていたが、犯罪学の知識に基づいた推理に卓越した資質を見せたため、ラファエルは犯罪学者として捜査協力を依頼する。正反対の2人だったが、バディとして様々な事件の捜査にあたるうちに、徐々にお互いを理解し信頼し合い、無二の親友となっていく。

 何と言っても、ヒロインの一人、アストリッドの造形が素晴らしい。
 引用をもう少し続けさせていただくと、

アストリッド・ニールセン
演 - サラ・モーテンセン、日本語吹替:貫地谷しほり

パリ犯罪資料局の文書係。自閉スペクトラム症当事者で、学校や精神科病院の体験がトラウマとなり、社会生活を心配した父によって文書資料室に居場所を得ている。犯罪資料を読み込むことで犯罪学の知識を身につけており、年限を過ぎ破棄された資料の内容も記憶していて、優れた洞察力でラファエルの力となり、自立した人間としての自信をつけていく。古今東西のパズルに精通し(ルービックキューブを数秒で解いてしまう)、怪事件・難事件もパズルに見立て間違いの無い解決にこだわる。亡くなった父の影響でピアノで弾かれたヨハン・ゼバスティアン・バッハ作品を愛聴している。

 自身の自閉症と向き合いながら事件捜査を経るごとに成長していくアストリッドを、役者さんが目の動き、指先の動きまで、本当に見事に演じています。
 吹き替えの貫地谷しほりもはまり役。
 最終話で父の死を告げられるシーン。
 周囲が「自閉症患者だから無反応だろう」みたいな態度をとるなか、懸命に悲しみをこらえるアストリッド。
 実に泣ける演技でしたね。
 ミステリとしても本格的であり、来年5月から始まる第2シーズンが楽しみです。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...