気まぐれシネマレビュー

#131 思ったより面白いけど… ～あなたの番です 劇場版～

　ちょっと前のTVドラマで考察ブームを引き起こした『あなたの番です』が、

「もしもあの時、交換殺人ゲームが行われていなかったら？」というパラレルワールド設定で帰ってきました。

　マンションから豪華客船というクローズド・サークルに舞台を移しての連続殺人事件。

　たくさんの登場人物たちの謎めいた行動を細切れに見せる秋元節は相変わらず。

　中盤まではグイグイ引き込まれますが、テレビと違ってCMはないし、次週までのインターバルもないので、見ていてけっこう疲れます。

　で、個人的な感想はといいますと。

　テレビ版の視聴者にとっては、かなり面白いと思います。

　癖の強いキャラクターたちは健在で、あちこちで笑わせてくれるし、テレビ版へのオマージュシーンも豊富。

　ただ、まず疑問に思うのは、黒島ネタはどうなのか、ということ。

　しかも、ドラマと並行してやってたhuluのスピンオフ「扉の向こう」が、割と重要なキーになってたりする。

　そもそもこの黒島なるサイコパス女子、これまでかなり酷いことしてきているので、今更「昔の私とは違う」と言われても、同情のドの字も湧いてこないんだが…。

　ネタバレ感想で「黒島ちゃん泣けるゥ」とか書いてる人いたけど、よくわからん。

　それから、最初の管理人殺人が劇中ではまるで忘れ去られたように見え、結局真相は明言されないまま終わり。

　たぶん黒島が内山にやらせたということだろうと思われるけど、なら黒島はやっぱり悪い奴てことじゃないの？

　というわけで、テレビ版を見ていない人には、ほぼ意味不明の映画だと思います。

　個人的には、シカゴまで泳いでいこうとした木村多江が、久々に笑えてよかったなという感じでした。