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#121 こういう時間SFもありかも ~劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班~
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前回に続き、テレビドラマの映画版です。
この『シグナル』は、韓国ドラマを原作に、日本で 2018 年にリメイクされたもの。
過去と現在をつなぐ無線機というSF的設定を元にした異色の刑事ドラマで、現在を生きる刑事・三枝を坂口健太郎が、過去を生きる刑事・大山を北村一輝が演じ、そこにかつての大山の部下で現在は三枝の上司、桜井(吉瀬美智子)らが絡んで、新たな未解決事件を解き明かしていく、というストーリーです。
設定だけ見ると時間SFみたいですが、タイムパラドックスもパラレルワールドも世界線も何もありません。
主人公たちの活躍によって、実際に過去も未来も変わっていきます。
むろん、だからといって救えなかった被害者もいるわけですが、少なくとも大山は二回、桜井も一度死んで生き返っています。
自分たちの言動で過去が変わったことに気づくのは、”現代パート”の三枝と桜井のふたりだけ、というのは、彼らが実際に謎の無線機を操作している人間だからでしょうか。
ともあれ、時間SFというのは、過去のどの名作を見ても、その厳格なルールの縛りが楽しいのですが、こと『シグナル』においては、その法則は通用しません。
でも、ドラマ版、スペシャル版と見続けていると、こういう希望を持たせる時間ものもありかなと思えてくるから不思議です。
さて、今回の劇場版ですが、公式サイトからあらすじをご紹介すると、こんな具合。
2021 年東京。
高速道路でハイヤーが暴走し政府高官が交通事故死する。三枝をはじめ、桜井(吉瀬美智子)率いる長期未解決事件捜査班は、この事故が仕組まれた事件である可能性を疑う。一方、2009 年の東京でも政務官が相次いで交通事故死していた。警察が事故として発表する中、大山だけは事件性を疑っていた。時刻は 23 時 23 分。繋がるはずのない無線機が再び鳴り出す!脅威のバイオテロから日本を救うため、陰謀渦巻く深い闇に立ち向かう”現在”と”過去”。そして、三枝と桜井は、”現在“で遂に大山と出会うことができるのか―
知性派の三枝がかなり激しいアクションを演じたりするのも映画版ならではですが、猛者相手に勝ち進む方法にも「実は…」という工夫が凝らされていて、単に「急に強くなった」と思わせないところなど、憎い演出です。
半ばまではテレビ版の緊迫感を引き継いでいてなかなか引き込まれるのですが、真犯人の動機が弱い気がしてそこがなんとも残念でした。警察組織内に真の敵がいるというのは刑事ドラマではもう定番なので、やはりここはもうひとひねりもふたひねりもしてほしかったところです。
ラストの、三人がついに出会うのか、というシーンでアレだったのは、やはり続編への伏線というところなのでしょうかね。
ともあれ、テレビドラマを見ていた方にとっては、見て損はない映画ではないかと思います。
この『シグナル』は、韓国ドラマを原作に、日本で 2018 年にリメイクされたもの。
過去と現在をつなぐ無線機というSF的設定を元にした異色の刑事ドラマで、現在を生きる刑事・三枝を坂口健太郎が、過去を生きる刑事・大山を北村一輝が演じ、そこにかつての大山の部下で現在は三枝の上司、桜井(吉瀬美智子)らが絡んで、新たな未解決事件を解き明かしていく、というストーリーです。
設定だけ見ると時間SFみたいですが、タイムパラドックスもパラレルワールドも世界線も何もありません。
主人公たちの活躍によって、実際に過去も未来も変わっていきます。
むろん、だからといって救えなかった被害者もいるわけですが、少なくとも大山は二回、桜井も一度死んで生き返っています。
自分たちの言動で過去が変わったことに気づくのは、”現代パート”の三枝と桜井のふたりだけ、というのは、彼らが実際に謎の無線機を操作している人間だからでしょうか。
ともあれ、時間SFというのは、過去のどの名作を見ても、その厳格なルールの縛りが楽しいのですが、こと『シグナル』においては、その法則は通用しません。
でも、ドラマ版、スペシャル版と見続けていると、こういう希望を持たせる時間ものもありかなと思えてくるから不思議です。
さて、今回の劇場版ですが、公式サイトからあらすじをご紹介すると、こんな具合。
2021 年東京。
高速道路でハイヤーが暴走し政府高官が交通事故死する。三枝をはじめ、桜井(吉瀬美智子)率いる長期未解決事件捜査班は、この事故が仕組まれた事件である可能性を疑う。一方、2009 年の東京でも政務官が相次いで交通事故死していた。警察が事故として発表する中、大山だけは事件性を疑っていた。時刻は 23 時 23 分。繋がるはずのない無線機が再び鳴り出す!脅威のバイオテロから日本を救うため、陰謀渦巻く深い闇に立ち向かう”現在”と”過去”。そして、三枝と桜井は、”現在“で遂に大山と出会うことができるのか―
知性派の三枝がかなり激しいアクションを演じたりするのも映画版ならではですが、猛者相手に勝ち進む方法にも「実は…」という工夫が凝らされていて、単に「急に強くなった」と思わせないところなど、憎い演出です。
半ばまではテレビ版の緊迫感を引き継いでいてなかなか引き込まれるのですが、真犯人の動機が弱い気がしてそこがなんとも残念でした。警察組織内に真の敵がいるというのは刑事ドラマではもう定番なので、やはりここはもうひとひねりもふたひねりもしてほしかったところです。
ラストの、三人がついに出会うのか、というシーンでアレだったのは、やはり続編への伏線というところなのでしょうかね。
ともあれ、テレビドラマを見ていた方にとっては、見て損はない映画ではないかと思います。
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