気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

文字の大きさ
上 下
118 / 211

#115 ホラー映画の在り方 ~IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。~

しおりを挟む
 予告編ばかりでもアレなので、DVDで見た作品をひとつ。

 2019年冬上映の『IT/イット THE END ”それ”が見えたら、終わり。』です。

 前作で、子ども時代に『IT』を倒したルーザーズクラブの面々がデリーの街に再集結し、今度こそ『IT』にとどめを刺しに行く、というお話ですね。

 初見の感想は、とにかく「長い!」のひと言につきる。

 ホラーなのに、3時間近くあるのです。

 まあ、原作がハードカバーで二段組上下巻のあの分厚さだったから、(文庫だと4分冊?)ある程度仕方ないのかもしれませんが、これから見ようという方はそれなりの覚悟が必要かも。

 思ったのは、登場人物たちが、それぞれイットを倒すために行う「チュードの儀式」に必要な「思い出の品」を探しに行く場面で登場するクリーチャーたちが、妙にチープに見えること。これは全編通してそうで、ゾンビとか、スパーダ―ヘッドとか、フェイスハガーとかのイミテーションみたいなのがけっこうたくさん出てくるのですが、どれもまるで怖くなく、どちらかといえば笑いを誘うレベルです。

 ホラー映画におけるモンスター造形というのは、いいかげんやり尽くされているのかと思った次第でした。

 また、クライマックスで『IT』は主人公たちの罵詈雑言に負けてやられてしまうのですが、これなんか、原作を知らないと「え?」となるのではないかと思うのですが、見られた方、いかがでしょうか。

「信じることが力になる」という原作のテーマを理解していないと、「悪口言われて縮んでいくラスボスって何?」
ってことになりかねません。一応、映画でも、そうした台詞は各所に登場するのですが…。

 ただ、この後半は、オープニングでゲイのカップルの片割れが不良たちにリンチされるエピソードなど、かなり原作に忠実に作ってあるようです。原作者のキング自身も出てくるし、長くなったのはたぶんにそのせいという気がします。
 その意味では、前作から通して見ると、また違った感慨を味わえそうですね。

 しかし、両方一度となると、5時間近くなるんじゃないかなあ…。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...