気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#111 【ドラマ部門】 視聴率最低は傑作の証② ~翔べ! 必殺うらごろし(後編)~

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 遅くなりましたが、前回の続きです。

 まず、必殺シリーズの売りといえば、やはり、その殺しの方法ですよね。

 有名どころでは、中村主水の見事な刀さばき、秀のかんざし、三味線屋勇次の三味線の弦、他にも本当に色々あって、相手に花火を飲ませて腹の中で爆発させる、三間しか射程距離のない手製の鉄砲で狙撃する、心臓を握りつぶす、足の指で相手の喉仏をつぶす等々。
 ユーチューブにいっぱい上がっていますので、よければ見てください。

 さて、では、この「うらごろし」では、どんな殺しが展開されるのか。それを見ていきたいと思います。

【先生】(中村敦夫)超常的な跳躍力で大ジャンプを敢行し、手にした旗竿で敵を一突きにして地面に縫い付ける。
    たまに怪力で相手を投げ飛ばす。

【若】(和田アキ子)その長身を生かし、女だてらに、殴る、蹴るの格闘技。相手の首が180度回転するまでとにかく殴る。

【おばさん】(市原悦子)「落とし物だよ」などといってターゲットに近づき、いきなり懐に入って短刀でぐさり。「落としたのはあんたの命だよ」とかキメ台詞を吐き、更にグサッと心臓をえぐる。

 どうです。どれも様式美にとらわれない、なかなかの肉弾技でしょう?

 特に市原悦子演じる「おばさん」の殺し方は芸達者なだけにあまりにリアルで、そのせいで視聴者が離れたといわれているほど。

 後期の必殺は、メンバーの衣装や暮らしぶりがいかにも小奇麗で鼻についたものですが、この三人の不可触民みたいな貧しさにはまず共感しかないですし、全員最後まで「先生」「若」「おばさん」と、本名すら出てこないのもその後の運命を象徴していて切ないです。最終回で記憶を取り戻したおばさんが殉職し、その死体を正十(火野正平)が土砂降りの雨の中、先生の所までおぶって走るシーンなどは、ほんと、泣けました。
 惜しむらくは、後半になるにつれ、和田アキ子の体調不良で「若」の殺しの場面が減っていったこと。最終回なども、出番がないわけではないですが、格闘シーンは無しで、そこがいまひとつ。ぜひあの無茶苦茶な喧嘩殺法で、先生と一緒に、おばさんの仇を討ってほしかったです…。

 あと、第一話のゲスト、栗田ひろみがとっても可愛いです。機会があれば、この一話だけでも見てください。

 ほかに好きなのは、「新・必殺仕置人」ですけど、この傑作についてはまたいずれ。
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