気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#110 【ドラマ部門】 視聴率最低は傑作の証② ~翔べ! 必殺うらごろし(前編)~

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 前回少し触れた、必殺シリーズの鬼っ子、『翔べ! 必殺うらごろし』。

 あまりの低視聴率に、次の『必殺仕事人』がヒットしなければ、シリーズが終わっていたかもしれないという、『ウルトラマンネクサス』をもしのぐ問題作です。

 必殺シリーズといえば、今でも年に一回、東山紀之主演でスペシャル版が製作される人気時代劇ですが、その特長は、ラストの殺陣シーンの、ある意味完成された様式美にあると言えるでしょう。

 仕事人のメンバーたちが恨みを晴らす場面がほとんど夜である理由も、光と闇を活かした撮影の美学にあるといっても過言ではありません。

 ところがシリーズ中で唯一、この『うらごろし』はそのセオリーを破っているのです。

 殺しのシーンはなぜかほとんど昼間。

 白日の陽光の許での格闘?です。

 それ以外の面でも、ことごとくシリーズの予定調和をぶち破った怪作にして傑作、それがこの『うらごろし』なのです。

 概要をウィキペから引用させていただくと、ざっとこんなふう。

『摩訶不思議な力を持つ行者の通称「先生」を中心に、記憶喪失の元殺し屋で、生き別れの子供を捜す「おばさん」。人並みはずれた体躯ゆえに女扱いされず、世をすねて男として生きてきた「若」。江戸で殺しの斡旋業をしていた「正十」らが、死者の恨みの声を聞き、その恨みを晴らしていく。 

本作はオカルトを扱った異色作であるが、裏稼業は他シリーズと大きく異なる。本作は稼業としての殺しは行っておらず、旅先で遭遇した怪奇現象を解決しようとする過程で、先生が悪人に殺害されるなどで死亡した被害者の声を聞き、その恨みを晴らすのが基本パターンである。原則として、依頼人である被害者から金を受け取ることはない。ただし、正十が何らかの方法や理由で金を手に入れていることは多く、それを分配するという形で金を手に入れることはある。 

他のシリーズが夜に殺しを敢行することが多いのに対し、(先生が日の出の際に死者の声を聞くこともあって)昼間に敢行するというのも特徴的である。』 

 また、キャストは次の通り。(ウィキペより抜粋)

【先生】演 - 中村敦夫
 太陽を信仰する行者。大日如来を示す梵字が書かれた旗竿を掲げ、修行の旅を続けている。
【若】和田アキ子。男装の女性。大柄な体格と人並み外れた怪力を持つばかりに女扱いをされず、世を拗ねて、男として生きることを決めている。旅の途中で出会った先生の力を目の当たりにし、彼に弟子入りする。

【おばさん】演 - 市原悦子
 4年前、気が付いたら、道の真ん中に立っていたという中年女性。それ以前の記憶は無く、当ても無く、彷徨っていた。先生との出会いで生き別れの息子を探していたことなど記憶の一部を取り戻し、以後は先生と行動を共にする。

【正十】演:火野正平
 殺しは一切行わず、情報収集と一行の世話役を務める。その回の恨みの筋とは関係なく、金を手に入れ、(結果として)先生達に分配する役目も持っており、これが事実上、他シリーズにおける頼み料の代わりとなっている。

【おねむ】
 演 - 鮎川いずみ。熊野権現の御札を売る旅の巫女。食べ物と眠る所さえあれば、それで満足で、常にけだるそうに欠伸ばかりしている。先生たちと行動を共にしているというわけでもなく、殺しには一切関わらないが、一行の行く先々に必ず現れており、情報収集などに協力することもある。


 どうですか? ここまで読んだだけでも、おもしろそうだと思いませんか?

 長くなりそうなので、私個人の感想は、次回に書くことにします。

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