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#109 【ドラマ部門】 視聴率最低は傑作の証① ~ウルトラマンネクサス~
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ウルトラシリーズは数あれど、私の一押しは、なんといっても、この『ウルトラマンネクサス』です。
ちなみにこの『ネクサス』、ストーリーや描写があまりにも陰惨すぎて、視聴率は歴代最低だったとか。
それで話数を短縮されたり、まだ放映中なのに、次の『ウルトラマンマックス』の予告をガンガン流されたりと、相当な仕打ちに遭ったようですが、スタッフはめげず、完結までがんばってくれました。
実はシリーズものって、最低視聴率のものが一番おもしろかったりするんですよね。
たとえば必殺シリーズでも、白眉が『仕事人』の前にやってた中村敦夫、市原悦子、和田アキ子の『翔べ! 必殺うらごろし」であるように。(この作品については、いずれ書きたいです)。
ともあれ、『ネクサス』です。「話があまりに陰惨過ぎて」というところでビビッと来た人には、絶対にお勧めだと思います。
あらすじはこんなふう。(ウィキペより)
「山岳救助(レスキュー)隊員の孤門一輝はある日、非公然防衛組織TLTへの配属を突如として命じられる。
そこへ向かう途中、彼は謎の怪物ペドレオンに襲われる。それは最近頻発していた行方不明事件の真相、人々を襲って喰らうスペースビーストと呼ばれる凶悪な宇宙生命体の攻撃だった。孤門が諦めかけたその時「諦めるな!!」という言葉と共に、降臨した赤い光から銀色の巨人が現れて怪物を叩き潰し、孤門を救った。
その後、TLTの実働攻撃部隊ナイトレイダーへ入隊した孤門は、非情とも思えるような組織の姿と事件に関わった人々の記憶を消すやり方に困惑しながらも、ビーストの脅威から人々を守るべく、銀色の巨人ウルトラマンネクサスを信じて戦っていく。 」
まず、設定がすばらしいです。
ウルトラマンネクサスに変身するのは、主人公ではありません。
デュエリスト(適合者)と呼ばれる、別の人です。
しかもこの、デュエリスト(ネクサスに変身できる人)も、ひとりではありません。
ストーリー全体を通して少なくとも4人、リレー形式のようにネクサスに変身できる人が変わっていくのです。
目の前で原住民の少女を死なせたことがトラウマになった戦場カメラマン、デザイナーベイビーとしてこの世に生み出されたものの、遺伝子の欠陥で余命わずかな天才青年、怪獣と戦う組織に勤める主人公の、心の闇を抱える女上司、そして最終回でやっと、そんな彼らの活躍を見守ってきた主人公へと、ネクサスのバトンは受け継がれていきます。
だいたい、こんなふうに登場人物がみんな病んでいるというだけでも、もうぞくぞくするではありませんか。
(主人公自身、敵にカノジョを殺され、後にカノジョがダークメフィストになる、という黒歴史の持ち主)。
そして敵怪獣にはクトゥーラなど、明らかにクトルフ神話に題材をとったやつとか、(ティガの最終回の相手もそれっぽいやつでしたが)デザインがなかなかキモくて怪獣ファンにはたまらない。
更にdoaのオープニングテーマ『英雄』『青い果実』がめちゃくちゃかっこいいし、エンディングテーマの三枝夕夏の『いつも心に太陽を』『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』も感涙もの。
最近のウルトラマンって、Zにしてもそのまえのオーブにしても、なんか過去の先輩たちの力をスロットルとかカードにして使うって設定が多く、いかにもオモチャを売るためにやってんだぞー感がミエミエで鼻につく、という方には、特にこのネクサスをお勧めします。オリジナリテイ満載で、まじめにSF巨大ヒーローものやってる感じがとてもいいですよ。
ちなみにこの『ネクサス』、ストーリーや描写があまりにも陰惨すぎて、視聴率は歴代最低だったとか。
それで話数を短縮されたり、まだ放映中なのに、次の『ウルトラマンマックス』の予告をガンガン流されたりと、相当な仕打ちに遭ったようですが、スタッフはめげず、完結までがんばってくれました。
実はシリーズものって、最低視聴率のものが一番おもしろかったりするんですよね。
たとえば必殺シリーズでも、白眉が『仕事人』の前にやってた中村敦夫、市原悦子、和田アキ子の『翔べ! 必殺うらごろし」であるように。(この作品については、いずれ書きたいです)。
ともあれ、『ネクサス』です。「話があまりに陰惨過ぎて」というところでビビッと来た人には、絶対にお勧めだと思います。
あらすじはこんなふう。(ウィキペより)
「山岳救助(レスキュー)隊員の孤門一輝はある日、非公然防衛組織TLTへの配属を突如として命じられる。
そこへ向かう途中、彼は謎の怪物ペドレオンに襲われる。それは最近頻発していた行方不明事件の真相、人々を襲って喰らうスペースビーストと呼ばれる凶悪な宇宙生命体の攻撃だった。孤門が諦めかけたその時「諦めるな!!」という言葉と共に、降臨した赤い光から銀色の巨人が現れて怪物を叩き潰し、孤門を救った。
その後、TLTの実働攻撃部隊ナイトレイダーへ入隊した孤門は、非情とも思えるような組織の姿と事件に関わった人々の記憶を消すやり方に困惑しながらも、ビーストの脅威から人々を守るべく、銀色の巨人ウルトラマンネクサスを信じて戦っていく。 」
まず、設定がすばらしいです。
ウルトラマンネクサスに変身するのは、主人公ではありません。
デュエリスト(適合者)と呼ばれる、別の人です。
しかもこの、デュエリスト(ネクサスに変身できる人)も、ひとりではありません。
ストーリー全体を通して少なくとも4人、リレー形式のようにネクサスに変身できる人が変わっていくのです。
目の前で原住民の少女を死なせたことがトラウマになった戦場カメラマン、デザイナーベイビーとしてこの世に生み出されたものの、遺伝子の欠陥で余命わずかな天才青年、怪獣と戦う組織に勤める主人公の、心の闇を抱える女上司、そして最終回でやっと、そんな彼らの活躍を見守ってきた主人公へと、ネクサスのバトンは受け継がれていきます。
だいたい、こんなふうに登場人物がみんな病んでいるというだけでも、もうぞくぞくするではありませんか。
(主人公自身、敵にカノジョを殺され、後にカノジョがダークメフィストになる、という黒歴史の持ち主)。
そして敵怪獣にはクトゥーラなど、明らかにクトルフ神話に題材をとったやつとか、(ティガの最終回の相手もそれっぽいやつでしたが)デザインがなかなかキモくて怪獣ファンにはたまらない。
更にdoaのオープニングテーマ『英雄』『青い果実』がめちゃくちゃかっこいいし、エンディングテーマの三枝夕夏の『いつも心に太陽を』『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』も感涙もの。
最近のウルトラマンって、Zにしてもそのまえのオーブにしても、なんか過去の先輩たちの力をスロットルとかカードにして使うって設定が多く、いかにもオモチャを売るためにやってんだぞー感がミエミエで鼻につく、という方には、特にこのネクサスをお勧めします。オリジナリテイ満載で、まじめにSF巨大ヒーローものやってる感じがとてもいいですよ。
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