気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#99 ドーパミン炸裂アニメ ~パプリカ~

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 紅白で子どものグループが歌っていた『パプリカ』。
 あれがはやり始めた頃、米津玄帥の曲と聞いたので、どんなのかなと思ってユーチューブで検索したら出てきたのが、このアニメ『パプリカ』の動画でした。
 平沢進の『白虎野』と『パレード』をバックに繰り広げられる、異様にシュールなアニメーションに度肝を抜かれ、ついサントラまで買ってしまったのが、平沢進師匠との出会いになります。

 そのアニメ『パプリカ』を、ついに見る機会がやってきました。
 原作は筒井康隆。新聞連載中に読んだ記憶があるのですが、もしかしたら『朝のガスパール』とごっちゃになっているかも。

【あらすじ】(ウィキペディアより)

 パプリカ/千葉敦子は、時田浩作の発明した夢を共有する装置DCミニを使用するサイコセラピスト。ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、それを悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するようになる。敦子達は犯人の正体・目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。 

 ウィキの紹介はたったこれだけなのですが、すごいですよ。このアニメ。
 夢の中の世界の映像がとにかくぶっ飛んでいる。
 特に、さまざまなものが市松人形に率いられて練り歩く”パレード”の描写は圧巻。平沢師匠の楽曲が実にぴったりでその異常さを盛り上げていて本当に素晴らしい。原作者の筒井康隆の脳内風景はきっとこんなふうなのでしょう。『時をかける少女』しか知らない世代はびっくりですね。
『魔法少女まどか☆マギカ』の魔女の世界の描写と並ぶ現代美術の粋ではないでしょうか。

 個人的には一か所すさまじく官能的なシーンがあって、そこが気に入っています。
 主人公の千葉敦子。夢探偵パプリカになる前はツンデレの地味な年増OLみたいなキャラクターなのですが、自由奔放なパプリカよりなぜかエロい。こういういやらしさ、いいと思います。

 
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