気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#87 高校生の時に見たかった! ~ブラック校則!~

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 この『ブラック校則!』は、テレビドラマと並行して封切られるという、あまり類を見ない戦略の映画です。

 出演者もテーマもほぼ同じ。

 ドラマがゆる~い展開で笑いの要素を前面に押し出しているのに対し、映画は短い分、熱さ全開。

 あらすじはこんなふう。


 さえない高校生・創楽(佐藤勝利)と親友の中弥(髙橋海人)。

 ふたりが通う高校は、生徒を理不尽なブラック校則でしばりつけている。

 ある朝、創楽はひとりの女生徒に心を奪われる。

 彼女の名前は希央(モトーラ世理奈)。

 生まれつきの栗色の髪を黒く染めるよう強要された希央は、不登校気味となり、退学寸前の状況に陥っていた。

 事情を知った創楽は、中弥とともに、希央ために校則を変えようと立ち上がる。

 
 かつて広瀬すずと神木隆之介が主演していた『学校の階段』っぽい派手な青春ものを期待していると、登場する俳優がほとんど知らない人たちばかりで、ストーリー展開も地味なので、肩透かしを食らうことになります。

 でも、実はそこがリアルでとてもいい。

 ヒロインは典型的なアイドル顔ではないし、ジャニーズの主演ふたりがいかにも高校生っぽく、初々しい。

 特にラストは私の好きなあのパターンでした。

 陸上部員だが、最近スランプに陥っている女子生徒会長。

 三点シュートの練習しかしないバスケ部員。

 吃音がひどく、会話が苦手だが、ラップでなら自己表現できる陰キャのクラスメート。

 守備はズタボロだが、肩だけは異様に優秀な野球部員。

 ふだんは敵味方に分かれている彼らが、ラスト、自分の特技を活かしてヒロインを救うべく奮闘する。

 この、「ダメダメだけどなにかひとつ特技があるメンバー」が、最後にその特技を活かして活躍するー。

 まさに山田正紀の冒険小説のノリ、映画で言えば、『小さな勇者たち~ガメラ~』の世界観でしょうか。

 色々世間の事情がわかってしまった大人が見ても面白い良作ではありますが、できればまっさらな高校生の時に見たかったというのが、正直な感想です。

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