気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#65 至福の237分 ~愛のむきだし~

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 この『愛のむきだし』は、数々の問題作を世に送り続けている園子温監督の4時間近い超大作。

 とにかく長いので、いつものようにあらすじをウィキに頼ることもできないほど。

 簡単にいうと、こんなふう。

 頭のイカレた神父の父との交流が『懺悔』のみという主人公が、懺悔をするために罪作りに励み、盗撮魔のプロの道に入ったところ、洋子(満島ひかり)という美少女と出会い、恋に落ちるが、洋子は実は父の愛人の娘で、父がその愛人と結婚したためにふたりは兄妹になってしまう。洋子は主人公を毛嫌いするものの、主人公が罰ゲームの罰で女装したサソリというキャラに恋してしまう。そこに0教会なる謎の宗教団体が現れて洋子を拉致、主人公は彼女を助けるために教会本部に単身乗り込んでいくのだが・・・。

 という、ストーリーだけなぞると何が何だかよくわからない話。

 ところが、「なんだこれ?」と見ているうちに突然炸裂するのが、デビューしたての満島ひかりのパンチラ。

 それも、一瞬で終わりなどというケチなものではなく「これでもか!」といわんばかりの大盤振る舞いです。

 セーラー服姿の彼女が、大勢の不良だかやくざだかと戦うシーンなのですが、とにかくこれが素晴らしい。

 実際この頃の満島ひかりときたらとにかくめちゃくちゃ美少女なので、こうなるともう、最後まで一気見です。

 安藤サクラがテニスルックのサイコな女教団幹部役で登場したり、監督の奥さん演じる愛人が無駄にエロかったり、主人公が受ける盗撮特訓がリアルで面白かったりと、変態好きな方にはまさにたまらない一本でしょう。

 園子温監督といえば強烈な個性が売り物で、かなり好き嫌いが分かれるようですが、私個人としてはどの作品も妙に熱がこもっていてそこが好きです。グロに徹した『冷たい熱帯魚』、落ちこぼれサラリーマンものが途中からなぜか怪獣映画になる『ラブ&ピース』(でも泣ける)、原作をまったく読まず、完全に無視して作ったただひたすら女子高生を殺しまくるスプラッター・ホラー『リアル鬼ごっこ』(トリンドルのパンチラあり)、池田エライザがエロイザと呼ばれるきっかけとなった『みんなエスパーだよ!』
 
 このあたりはみんなおススメしたいところです。

 ともあれ、未見の方は是非、この『愛のむきだし』で、最高に輝く満島ひかり(のパンチラ)を堪能してみてください。

 そこには間違いなく、涅槃の境地が待っているはずです。



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