気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#61 岡田准一が素晴らしい! ~ザ・ファブル~

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 漫画原作は未読。
 ウィキからあらすじを引用すると、こんな具合。

現代の東京。その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と呼ばれる1人の殺し屋がいた。その男は幼いころから「ボス」の指導を受け、数々の標的を仕留めてきた。しかし、彼の正体が暴かれるのを恐れたボスは「1年間大阪に移住し、その間は誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」と指示する。こうして彼は「佐藤明」という名前を与えられ、ボスと古くから付き合いのある暴力団「真黒組」の庇護の元、一般人として大阪での生活を始めるのだった。 

 ずっと暑苦しい役が多かった岡田准一が、素晴らしく弾けていてとても楽しい。
 クールな殺し屋の側面と、日常生活で見せる変人ぶりのすさまじいギャップがとにかく笑えます。

 たとえば、
 ①3流芸人の大ファンで、彼のCMを見てはひとりで大ウケ、爆笑する。
 ②ものすごい猫舌で、少しでも熱いものを食べると絶叫する。
 ③焼き魚も骨付きチキンも頭ごと、あるいは骨ごと食べてしまい、山本美月に毎回ドン引きされる。
 ④夜中になぜか全裸になり、インコの籠の前でクスクス笑いながらメモ用紙に珍妙な動物のイラストを描く。

 などなど。

 ふつう、殺し屋を主人公にした話というのは、『レオン』も『ニキータ』もそうですが、主人公がどんなにいいやつでも、”所詮人殺し”という深い業を背負っているため、ラストは悲惨なものになりがちです。ところがこの作品は違います。もちろん、やくざ集団との壮絶なバトルなどのシーンはあるけれど、ラストまでなんかほのぼの。

 役に立っているのかどうか全く不明ながら、異様に酒に強く豪快な性格の相棒、木村文乃、病気で入院中の母親の入院費を稼ぐためけなげに働く山本美月など、脇を固める女性陣も最高です。
 
 ぜひ同じメンバーで続編を、と期待したくなる一作です。

 『ゴジラ』の人間ドラマのひどさにテンション下がってましたが、いやあ、久しぶりに面白い映画を観たという気分。


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