気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#54 いい大人がよってたかって・・・文句は見てから言うべきでは? ~空母いぶき①~

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『空母いぶき』といえば、公開前にもかかわらず、佐藤浩市のインタビューが「現政権を揶揄している」と物議をかもしたことが記憶に新しいと思います。
 内閣総理大臣役の佐藤が「おなかの弱いキャラ設定にしてもらいました」と語ったのを、とある作家さまを初めとして、けっこう多くの人が「安倍総理をおちょくってる!」と怒ったわけです。
 で、実際はどうなのかと、さっそく観て来ました。
 結論。
 劇中で佐藤浩市がトイレに行ったのは一度きり。
 このシーンを取り上げて、やれ政権批判だのとはとてもいえない。
 佐藤演じる総理と安倍総理は全然似ていないし、パロディになっているわけでもなし。
 批判するなら、せめて映画見てからいうべきでは?
 なんでもかんでも噛みつけばいいってものじゃないでしょう。

 なんて言ったらいいのか。
 最近の日本って、こういうこと、多いですよね。
 たとえ佐藤浩市が政権批判をこめてそう語ったとしても、それはそれでいいのではないですか。芸能人が現政権を批判するって、悪いこと? その点、アメリカはさすがです。真正面から政権をおちょくった『バイス』みたいな映画がちゃんとヒットする。トップアーティストが自分の意見をはっきり公表する。そして視聴者側にも、それを受け容れる余地がちゃんとある。政治システムがどうのではなく、その国民性は尊敬に値します。きっちり本音を言う人たちがいるし、批判を形にする骨太の映画監督や歌手がいて、それを許容する土壌がある。今の日本では、こういうの、無理ですよね。少しでも気に入らないことが発信されたら、すぐに叩こうと息をひそめてる人が、ネットの裏側にこうもゴロゴロしていては。こうしてきれいごとばっかりが表面を覆って、どんどん空気は悪くなっていく。だから日本だけ映画の興行成績は、世界記録を打ち立てた「エンドゲーム」ではなく、「コナン」の新作が1位になる…。

 映画本編については、次回、書こうと思います。

 
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