42 / 211
#41 女性刑事ものの難しさ ~不能犯~
しおりを挟む
今回ご紹介する『不能犯』は、2018年2月公開の映画です。
松坂桃李、沢尻エリカ主演の、サイコパスVS女性刑事ものといえば、いかにも面白そうですが、さて…。
あらすじをウィキから引用させていただくと、ざっとこんなふう。
『宇相吹正(うそぶきただし:演ー松坂桃李)は、とある電話ボックスに依頼人が殺して欲しい相手の連絡先と理由を書いた手紙を貼ると、完璧に始末してくれる事から、SNS上では「電話ボックスの男」と呼ばれていた。彼の犯行は、マインドコントロールによって精神的に追い詰め、自殺を実行させるものであり、警察では実証出来ない事から「不能犯」と呼ばれていた。 ある事件で刑事・多田友樹(演ー沢尻エリカ)は宇相吹の身柄を確保し、事情聴取を実行するも逮捕に至らず、多田と宇相吹の行動は平行線を辿り、様々な事件を引き起こすようになる。』
結論から言いますと、正直、「う~ん」です。
まず、沢尻エリカの刑事がひどい。
ファンの方には申し訳ないけれど、生意気な子どもが、大人相手に威張っているとしか思えない。
『ヘルタースケルター』で圧倒的な演技を見せてくれたあのエリカ様ですが、刑事役の似合わないことといったらもう…。『ヘルタースケルター』の時みたいにおっぱいを見せてとは言いませんが、もう少しなんとかならなかったのでしょうか。見ていませんが、最近始まったテレビドラマ『ストロベリーナイト』で二階堂ふみが酷評されているのも、同じような理由なのかもしれません。その点、これもテレビドラマですが、『猟奇犯罪捜査班~ON~』でサイコパスの女刑事を演じた波留はよかったです。表面上は熱血刑事、一皮むくと感情の欠落したサイコパスといった難しい役柄を、見事に演じ切っていました。(ちなみに、このドラマ、犯人のひとりが佐々木希で、彼女の狂った演技もなかなかよかったです。美女のサイコパスは実に怖い。)
それから、敵役の松坂桃李。にたりと笑う時のいかにも闇の世界の住人といった雰囲気は素晴らしいのですが、脚本のせいなのか原作のせいなのか、吐く台詞がいかにも凡庸で、まともに聞いていられない。
特殊能力で人を追い詰めて殺しては、「くだらないな、人間は」とつぶやくのだけど、「おまえのやってることもくだらないだろ」というレベル。せめて『必殺仕事人』みたいにお金で殺人を請け負うとかならまだわかるのですが、依頼人に電話ボックスにメモを貼らせるとか妖怪ポスト並みにアナログなことさせておいて、そもそもどうして恨みを晴らす代行をしているのか、目的がわからない。
極めつけは、ラストで沢尻エリカが松坂桃李に言うキメ台詞。
「あなたがここで殺してくれないと、僕は今後も殺人を犯し続ける」みたいなことをのたまう犯人に、エリカ嬢は言います。
「私は希望で人を殺す」
は?
それ、どういう意味?
なんか、かっこいいこと言おうとして、失敗しちゃった?
う~ん、真面目にわけわかんないんですけど。
唯一、芦名星の出てくるエピソードのみ、彼女の熱演で多少見ごたえがありました。
かつて、似たような設定で、藤原竜也VS山田孝之+石原さとみという超豪華メンバーを配した『モンスターズ』なる謎映画がありましたが、配役が豪華な割にダメダメなところといい、あれに似てるなあ、というのが正直な感想でした。
松坂桃李、沢尻エリカ主演の、サイコパスVS女性刑事ものといえば、いかにも面白そうですが、さて…。
あらすじをウィキから引用させていただくと、ざっとこんなふう。
『宇相吹正(うそぶきただし:演ー松坂桃李)は、とある電話ボックスに依頼人が殺して欲しい相手の連絡先と理由を書いた手紙を貼ると、完璧に始末してくれる事から、SNS上では「電話ボックスの男」と呼ばれていた。彼の犯行は、マインドコントロールによって精神的に追い詰め、自殺を実行させるものであり、警察では実証出来ない事から「不能犯」と呼ばれていた。 ある事件で刑事・多田友樹(演ー沢尻エリカ)は宇相吹の身柄を確保し、事情聴取を実行するも逮捕に至らず、多田と宇相吹の行動は平行線を辿り、様々な事件を引き起こすようになる。』
結論から言いますと、正直、「う~ん」です。
まず、沢尻エリカの刑事がひどい。
ファンの方には申し訳ないけれど、生意気な子どもが、大人相手に威張っているとしか思えない。
『ヘルタースケルター』で圧倒的な演技を見せてくれたあのエリカ様ですが、刑事役の似合わないことといったらもう…。『ヘルタースケルター』の時みたいにおっぱいを見せてとは言いませんが、もう少しなんとかならなかったのでしょうか。見ていませんが、最近始まったテレビドラマ『ストロベリーナイト』で二階堂ふみが酷評されているのも、同じような理由なのかもしれません。その点、これもテレビドラマですが、『猟奇犯罪捜査班~ON~』でサイコパスの女刑事を演じた波留はよかったです。表面上は熱血刑事、一皮むくと感情の欠落したサイコパスといった難しい役柄を、見事に演じ切っていました。(ちなみに、このドラマ、犯人のひとりが佐々木希で、彼女の狂った演技もなかなかよかったです。美女のサイコパスは実に怖い。)
それから、敵役の松坂桃李。にたりと笑う時のいかにも闇の世界の住人といった雰囲気は素晴らしいのですが、脚本のせいなのか原作のせいなのか、吐く台詞がいかにも凡庸で、まともに聞いていられない。
特殊能力で人を追い詰めて殺しては、「くだらないな、人間は」とつぶやくのだけど、「おまえのやってることもくだらないだろ」というレベル。せめて『必殺仕事人』みたいにお金で殺人を請け負うとかならまだわかるのですが、依頼人に電話ボックスにメモを貼らせるとか妖怪ポスト並みにアナログなことさせておいて、そもそもどうして恨みを晴らす代行をしているのか、目的がわからない。
極めつけは、ラストで沢尻エリカが松坂桃李に言うキメ台詞。
「あなたがここで殺してくれないと、僕は今後も殺人を犯し続ける」みたいなことをのたまう犯人に、エリカ嬢は言います。
「私は希望で人を殺す」
は?
それ、どういう意味?
なんか、かっこいいこと言おうとして、失敗しちゃった?
う~ん、真面目にわけわかんないんですけど。
唯一、芦名星の出てくるエピソードのみ、彼女の熱演で多少見ごたえがありました。
かつて、似たような設定で、藤原竜也VS山田孝之+石原さとみという超豪華メンバーを配した『モンスターズ』なる謎映画がありましたが、配役が豪華な割にダメダメなところといい、あれに似てるなあ、というのが正直な感想でした。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説



サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる