気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#35 アベンジャーズ最強の助っ人? ~キャプテンマーベル~

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 今日の映画館は、プリキュア目当ての幼女をつれた家族でいっぱいでした。やはり、日本映画界をけん引するのは、ドラえもんやプリキュアといったお子様向け家族映画のようです。ここでGWあたりではコナンが加わりますので、もうそれで日本全国の子持ち世帯は1年分の映画鑑賞を終えてしまうのでしょう。いやはや。

 そんななか、GWに公開される「アベンジャーズ・エンドゲーム」の予習もかねて、観て来ました、「キャプテンマーベル」。マーベル史上初の女性ヒーロー、海外でも前評判は良いみたいですが、さて…。

 映画は、過去の記憶がない主人公バースが、クリー人のソルジャーとして、敵対するスクラル人と戦う場面から幕を開けます。誰にでも擬態できる能力を持つスクラル人の罠に嵌まったバースは、戦闘のさなか、地球に墜落してしまいます。地球に落ちたバースは、そこで若き日のシードのエージェント、ニック・ヒューリーと出会い、ともに陰謀に巻き込まれていくうちに、やがて自分は誰かを知り、真のヒーロー、マーベルとして覚醒する、とまあ、ざっくりまとめると、こんな話でしょうか。

 見終わった第一印象として残るのは、やはりキャプテンマーベルの強さでしょう。その反則的な強さはもはや、スーパーマンどころか、ウルトラマン級です。どのくらいのレベルかというと、ひとりで宇宙戦艦を叩き潰してしまうほど。ちなみに終盤で見せる最終形態は、外見もウルトラマンにそっくりです。(ふだんも、MAT隊員みたいな強化スーツ着ているし。)この人が参戦するなら、他のアベンジャーズのメンバー、たとえばキャプテンアメリカやスパイダーマンはもはや不要なのではないかと思えるほどのインフレパワーです。

 とっつきにくい序盤をクリアすれば、自分探し、中盤での世界観の逆転といったミステリー要素を持つストーリーは、大きな破綻もなく、途中で眠くなることはありません。あとは、主人公のキャプテンマーベルをどう受け止めるのか、という点でしょう。
 正直、ワンダーウーマンに比べれば、露出度はゼロ、スタイルはいいものの、セックスアピールで目立つタイプではないようです。(顔も、ワンダーウーマンの方が可愛い?)
 アニータのような少女ではなく、しっかりした大人の女性なので、アニメファンとも相容れなさそう。
 あるいはそうした男性的目線で見なければ、世界中の女性に勇気を与えてくれる主人公、ということになるのかもしれません。(確かに、彼女が覚醒するシーン、記憶の中のあらゆる世代の彼女が挫折から立ち上がるシーンは、胸に訴えかけてくるものがあります。)

 ともあれ、恒例の「エンドゲーム」に続く付録映像が2つもついているので、アベンジャーズの新作を見る予定の方は、どうかお見逃しなく。


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