気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#30 戦闘少女の理想形 ~アリータ バトル・エンジェル~

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 さっそく観てきました。待望の『アリータ バトル・エンジェル』。
 原作は未読です(同じ作者の『ARMS』は途中まで読みましたが)。なので、勘違いなどがあったら申し訳ありません。

 没落戦争後の荒廃した地球。
 人間は、唯一残った空中都市と、スラムと化した地上の街、アイアンシティに分かれて住んでいます。
 アイアンシティのゴミ捨て場で、少女型サイボーグの胸部を発見したサイバー医師のイドは、死んだ娘のためにつくった擬体を利用し、少女を蘇生させてアリータと名付けます。
 記憶をなくしたまま目覚めたアリータは、次第に己の卓越した戦闘能力に気づき、青年ヒューゴとの出会いや殺人サイボーグたちとの戦いを経て、次第に真の自分を取り戻していく…。

 簡単に紹介すると、こんなストーリーでしょうか。
 
 鑑賞後、とにかく印象に残るのはそのバトル・アクションのすごさ。
 まさに実写ならではのすさまじい臨場感です。
 前半、仮の体のまま、強敵とボロボロになりながら戦うアリータもいいですが、真のボディを手に入れてからの「モーターボール」の試合シーンのかっこいいこと。
 すでに予告編で見られた方も多いと思いますが、本編はそれ以上に熱いです。
 むちゃくちゃ強いアリータはまさしく戦闘少女の究極の形ではないでしょうか。
 アニメでは描けない本物の迫力をぜひ味わってください。
 
 原作に忠実に再現されたアリータの目の大きさですが、慣れてしまえば可愛いと思えてくるので、心配には及びません。というより、その目のおかげで非常に表情が豊かになり、彼女の心情が見る者にダイレクトに伝わってきます。
 欲を言えば、後半のアリータの行動原理が、「初めて恋をした少女が恋人にすべてを捧げる」みたいになってくるのが、個人的には少し残念。
 予告編で前面に出ていた「こんな腐った世界は許せない!」的なノリで、もっとストイックにガンガンいってほしかった気がします。まあ、アリータの少女らしさがよく出ていて、それはそれでよいのかもしれませんが…。
 
 あと、最後に『モーターボール』の決勝戦をちゃんとやってほしかった。続編があるなら仕方ありませんが、あれで終わりというのは、ちょっとストレスがたまります。

 それにしても、土曜日の朝いちばんという時間帯のせいか、お客さんの年齢層が異様に高かったなあ。少なくともこの映画は、ちっちゃなスマホの画面で見るには適していないので、ぜひみなさん、映画館に足を運んでいただきたいところです。


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