気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#26 旬の映画を見る! ~フォルトゥナの瞳~

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 きのう封切になったばかりの新作映画をさっそく見てきました。

 神木隆之介、有村架純主演、百田尚樹原作の「フォルトゥナの瞳」です。

 若干のネタバレを含むかもしれませんので、見に行く予定がある方はこの先は読まないでください。

 主人公の神木君は、20年前の飛行機事故で両親を亡くし、自分ひとり生き残ったという凄惨な過去を抱えています。

 現在、車の修理工場で働く彼の秘密は、他人の運命が見えてしまうこと。死を間近にした人間の身体の一部が、なぜか透けて見えてしまうのです。

 そんな”能力者”の彼が、携帯ショップで働く有村架純と出会い、恋に落ちて…。

 という話であり、原作者名からの憶測で、変に身構えてしまう必要はありません。

 事実、芸達者のふたりが主役ですから、恋愛映画としてはやはり見ごたえがあります。有村架純といえば、「三月のライオン」の性悪お姉さん役、「アイ・アム・ア・ヒーロー」の始終寝ていたゾンビ少女役しか知らなかった私には、非常に表情が豊かで新鮮でしたし、神木君は「妖怪大戦争」以来相変わらずの名演技で、見ていて違和感がなく、安心できます。

 ただ、SF映画、ファンタジー映画として見ると突っ込みどころが色々あり、特に最後で明かされる裏設定は映画全体の評価を反転させてしまう要素を含んでいて、「ちょっと待ってよ。だったらもっとほかの展開もあったんじゃないの?」とある意味唖然とさせられます。

 そして最終的に感じたのは、

 これは恋愛もののの形を借りた「永遠のゼロ」だったのではないのかということ。

「宇宙戦艦ヤマト」をほうふつとさせるクライマックスの根底に流れるのは、やはりこの作者一流のあの美学なのではないかということです。

 まあ、そうした小難しいことを考えず、余計な邪推をせずに虚心坦懐に鑑賞するならば、まずまず泣けて楽しめる作品だったのではないかと思います。

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