気まぐれシネマレビュー

戸影絵麻

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#19 日本ではなぜウケない? ~ワンダーウーマン②~ 

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 この映画の時代背景は、第一次世界大戦。

 これは正解だったのではないかと思います。

 無味乾燥な戦場に、あの露出度の高い派手なユニフォームは非常に映えます。

 雨あられと降り注ぐ弾幕を盾ひとつで防ぎながら突進するその姿は、まさにいくさ乙女。

 だから個人的には、ラストの大ボスとのCGを駆使した派手なバトルより、このドイツ軍との戦いの場面のほうがずっと気に入っています。


 さて、この「ワンダーウーマン」、世界的には大ヒットとなったわけですが、日本ではさほど話題にならなかったようです。

 まあ、考えてみれば、日本人が映画館で映画を鑑賞する本数は、年間平均1~2本とのこと。子どものいる家庭なら、この1~2本を何に当てるかといえば、どうしてもお子様目線の「ドラえもん」やディズニーアニメということにならざるを得ないでしょう。半裸の白人女性がドイツ軍相手に暴れ回る映画を見たがるお子様がそんなに多いとも思えないので。

 となれば期待は若者の皆さんということになるのですが、主役のガル・ガドット嬢の鍛えられた肢体は、アニメの萌えキャラやアイドルグループに慣らされたわが国の青少年の眼には、成熟しすぎていてあまり魅力的に映らないのかもしれません。

 ともあれ、ただ強いだけでなく、ふだんはとてもチャーミングでピュアなダイアナ嬢。

 この作品には悲恋の要素もあり、涙なしには見られません。

 粘土から生まれ、ひとつ間違えばゴーレムになっていたかもしれない彼女が、残酷な現実を乗り越えて、大人として成長する姿はヒーローものには珍しい展開です。

 2020年には1984年の冷戦下の米ソを背景とした続編も控えていますので、ぜひ多くの人に見ていただきたいと思います。(しかし、どうして1984年なのでしょうか。1984年といえば、オーウェルの小説のタイトルくらいしか思い浮かびませんが)

「だってヒーローものなんて荒唐無稽だから」という人も多いようですけど、それをいうならドラえもんもコナンも同じでしょ?

 
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