気まぐれシネマレビュー

#13 ひたすらうらやましい ～億男～

　兄の連帯保証人になったばかりに借金を背負いこみ、その返済に疲弊してた主人公佐藤健が、1億円の宝くじに当たります。

　ところがそれを友人の高橋一生に持ち逃げされ、その行方を追ううちに、お金と人生の意味に気づくみたいな、そんな話。

　見どころは、彼が途中で出会うお金に憑りつかれた人々の奇行の数々。

　中でも藤原竜也の詐欺師ぶりは圧巻で、この人の演じるクズ人間はまさに一見の価値ありという感じです。

　つっこみどころは、黒木華演じる主人公の妻があまりに非道である点。

　宝くじに当たる前、旦那があれほどへとへとになりながら働いているというのに、「お金がないから娘の習い事をやめさせてくれないか」と言われただけで腹を立て、離婚を決意し家を出てしまうというのは、いったいどういう了見なのか。
　
　おまえも働いて少しは旦那に協力してやればいいじゃないかと思いましたが、レビューでは誰もそこには突っ込んでいなかったようです。