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第6章 ネオ・チャイナの野望
#13 鬼岩城⑧
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戦いは始まっていた。
急に寡黙になった二体の鬼が、じりじりと間合いを詰めてくる。
先に動いたのは、前鬼だった。
地面を蹴ると、長い右腕を伸ばしてルビイにつかみかかったのだ。
女が相手ということで、無意識のうちに隙が生じたのかもしれなかった。
無造作に伸ばされた腕の下で、わき腹はがら空きになる。
一歩踏み込むと、ルビイは姿勢を低くして、素早く腰をひねった。
地面すれすれの位置から右足が旋回し、強力な回し蹴りを前鬼の腹部に叩き込む。
「ぐえっ」
唾を飛ばして、前鬼がうめいた。
が、さすが、首領の側近だけのことはある。
増殖したナノマシンで強化されたルビイの回し蹴りをまともに喰らっても、前鬼は倒れない。
逆に、引き戻そうとしたルビイの右足を抱え込むと、そのまま床にねじり伏せようと全体重をかけてきた。
足元に引きずり込まれたルビイの躰がひねられ、うつぶせになる。
そのくびれた腰を踏みつけようと前鬼が足を上げた瞬間、垂直に繰り出したルビイの前蹴りが巨人の鼻っ柱にヒットした。
「ぐおっ」
鼻血を噴き出し、顏を押さえてのけぞる前鬼。
チャンスだった。
流れるような動作で跳ね起きると、ルビイは前鬼の背後に回った。
大きくジャンプすると、太い首筋を右の肘で強打する。
更に高く右足を振り上げると、振り子の要領で前のめりになった前鬼の頭頂部に渾身の踵落としを叩き込んだ。
血反吐を吐いて、前鬼が床に崩れ落ちる。
「なかなかやるな」
ニヤニヤ笑いを顔に貼りつけ、後鬼が言った。
「人間の女のくせに、おもしれえ」
「残りはあなたひとり。どこからでもかかってきなさいよ」
形のいい乳房を上下させて、ルビイは言い返した。
これなら勝てる。
まったく負ける気がしない。
新しい手足は絶好調だった。
義主義足の数倍スピードが出るし、破壊力もけた違いだ。
が、数秒で赤鬼を屠ったことで、ルビイは少し有頂天になりすぎていたようだ。
「まだ終わっちゃいねえよ」
思いもよらぬ方向から声がしたかと思うと、両足首を万力のような手でつかまれた。
「手加減してりゃ、いい気になりやがって」
前鬼だった。
床に伸びたはずの前鬼が、いつのまにかルビイの足元にまで這い進み、だしぬけに足首をつかんだのだ。
「くそ、もう頭にきたぜ。このアマ、今に見てやがれ! 気が狂うまで犯しまくって、足腰の立たねえようにしてやるからな」
怪力にものを言わせてルビイを床にひきずり倒すと、むっくりと身体を起こして、ぎりぎりと歯軋りしながら前鬼が言った。
急に寡黙になった二体の鬼が、じりじりと間合いを詰めてくる。
先に動いたのは、前鬼だった。
地面を蹴ると、長い右腕を伸ばしてルビイにつかみかかったのだ。
女が相手ということで、無意識のうちに隙が生じたのかもしれなかった。
無造作に伸ばされた腕の下で、わき腹はがら空きになる。
一歩踏み込むと、ルビイは姿勢を低くして、素早く腰をひねった。
地面すれすれの位置から右足が旋回し、強力な回し蹴りを前鬼の腹部に叩き込む。
「ぐえっ」
唾を飛ばして、前鬼がうめいた。
が、さすが、首領の側近だけのことはある。
増殖したナノマシンで強化されたルビイの回し蹴りをまともに喰らっても、前鬼は倒れない。
逆に、引き戻そうとしたルビイの右足を抱え込むと、そのまま床にねじり伏せようと全体重をかけてきた。
足元に引きずり込まれたルビイの躰がひねられ、うつぶせになる。
そのくびれた腰を踏みつけようと前鬼が足を上げた瞬間、垂直に繰り出したルビイの前蹴りが巨人の鼻っ柱にヒットした。
「ぐおっ」
鼻血を噴き出し、顏を押さえてのけぞる前鬼。
チャンスだった。
流れるような動作で跳ね起きると、ルビイは前鬼の背後に回った。
大きくジャンプすると、太い首筋を右の肘で強打する。
更に高く右足を振り上げると、振り子の要領で前のめりになった前鬼の頭頂部に渾身の踵落としを叩き込んだ。
血反吐を吐いて、前鬼が床に崩れ落ちる。
「なかなかやるな」
ニヤニヤ笑いを顔に貼りつけ、後鬼が言った。
「人間の女のくせに、おもしれえ」
「残りはあなたひとり。どこからでもかかってきなさいよ」
形のいい乳房を上下させて、ルビイは言い返した。
これなら勝てる。
まったく負ける気がしない。
新しい手足は絶好調だった。
義主義足の数倍スピードが出るし、破壊力もけた違いだ。
が、数秒で赤鬼を屠ったことで、ルビイは少し有頂天になりすぎていたようだ。
「まだ終わっちゃいねえよ」
思いもよらぬ方向から声がしたかと思うと、両足首を万力のような手でつかまれた。
「手加減してりゃ、いい気になりやがって」
前鬼だった。
床に伸びたはずの前鬼が、いつのまにかルビイの足元にまで這い進み、だしぬけに足首をつかんだのだ。
「くそ、もう頭にきたぜ。このアマ、今に見てやがれ! 気が狂うまで犯しまくって、足腰の立たねえようにしてやるからな」
怪力にものを言わせてルビイを床にひきずり倒すと、むっくりと身体を起こして、ぎりぎりと歯軋りしながら前鬼が言った。
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