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第4章 洞窟都市グロッタ
#18 呪われた土地⑬
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村の敷地は北稜山脈に接して広がっているため、周囲を煉瓦造りの塀に囲まれていても中の様子が見える。
土地自体が山脈に向かってせり上がるように傾斜しているからだ。
普段から黄金都市グロッタの恩恵を被っているのだろう。
辺境の村にしては、ずいぶんと立派なつくりの家々が多かった。
中央には円形の広場があり、その突き当りに塔を備えた教会まで建っている。
建物は乾燥帯の住居の典型で、みな頑丈な日干し煉瓦で造られているようだ。
「死臭だって? 気持ち悪いこと言うなよな」
怖がりのアニムスが、びくっと身を震わせて、自分より少し背の高いサトをにらんだ。
「いや、サトの言う通りだ。あの広場を見ろ」
革の短鎧から剥き出しになった太い腕を伸ばして、マグナが言った。
「あれは…?」
その指が指す方向に視線を投げて、ルビイはうめいた。
広場のあちこちに、人の身体のようなものが倒れている。
中央に山積みになっているのも、どうやらおびただしい数の人体のようだ。
「なんて痛ましい。魔物どもに全滅させられたというわけね」
「ひどい…ひどすぎます」
エリスが眼鏡をはずして細い指先で目尻を拭う。
「中にはちっちゃな子どもたちもいたでしょうに」
「くそ、こうなったら」
アニムスが地団太踏んだ。
「早く仇を討ってやろうぜ。村を魔物の手から取り返すんだ」
「お兄ちゃん、落ち着きなよ」
妹のアニマが、いきり立つアニムスの肩に手を置いた。
「この村、なんか変だよ。だいたい、その魔物っていうのはどこにいるのさ? アニマには、猫の子一匹見えないんだけど」
土地自体が山脈に向かってせり上がるように傾斜しているからだ。
普段から黄金都市グロッタの恩恵を被っているのだろう。
辺境の村にしては、ずいぶんと立派なつくりの家々が多かった。
中央には円形の広場があり、その突き当りに塔を備えた教会まで建っている。
建物は乾燥帯の住居の典型で、みな頑丈な日干し煉瓦で造られているようだ。
「死臭だって? 気持ち悪いこと言うなよな」
怖がりのアニムスが、びくっと身を震わせて、自分より少し背の高いサトをにらんだ。
「いや、サトの言う通りだ。あの広場を見ろ」
革の短鎧から剥き出しになった太い腕を伸ばして、マグナが言った。
「あれは…?」
その指が指す方向に視線を投げて、ルビイはうめいた。
広場のあちこちに、人の身体のようなものが倒れている。
中央に山積みになっているのも、どうやらおびただしい数の人体のようだ。
「なんて痛ましい。魔物どもに全滅させられたというわけね」
「ひどい…ひどすぎます」
エリスが眼鏡をはずして細い指先で目尻を拭う。
「中にはちっちゃな子どもたちもいたでしょうに」
「くそ、こうなったら」
アニムスが地団太踏んだ。
「早く仇を討ってやろうぜ。村を魔物の手から取り返すんだ」
「お兄ちゃん、落ち着きなよ」
妹のアニマが、いきり立つアニムスの肩に手を置いた。
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