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第2章 跪いて足をお舐め
#76 皇子男娼化計画④
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「どういうことだ?」
マリウスの顔から血の気が引いた。
「まさか僕に父を殺せと言うのか? いくら君でも、口にしていいことと悪いことがある!」
ソファから立ち上がろうとするが、ふいにめまいを覚えたようにこめかみを押さえ、どさりと尻もちをつく。
紅茶には、サトが生まれ故郷の村から調達したある薬草の粉が混ぜてある。
それが効き目を現してきたに違いない。
「殺せなんて言っていないわ。これを使うの」
ルビイはガウンの袂から、小さなガラスの小瓶を取り出した。
コルクの蓋の嵌まった瓶の中には、琥珀色の液体が半分ほど入っている。
「それは…?」
マリウスの眼が、ガラス瓶の中の液体に吸い寄せられるように動いた。
「飲んだ者を一時的に痴呆にする薬。人間の考える能力を麻痺させるから、これを飲んだ者には王は務まらない」
「父を痴呆に? な、なんてことを…」
「ずっととは言っていないでしょ。半年たてば、効き目が切れて、脳の機能は自動的に回復するわ。その間に、あなたが玉座に就けばいい。ね、簡単でしょ」
薬の出どころは、紅茶に忍ばせたものと同じである。
インキュバスと人間のハーフであるサトに調達させたのだ。
ルビイには、取り立てて王に恨みはない。
確かにこっちの素性を知られているからには目触りには違いない。
が、別に殺したいとまで思っているわけではなかった。
その点、サトが取り寄せてくれたこの薬はおあつらえ向きだ。
王は半年間、人間的思考のできない獣に戻るだけなのだから。
「断る!」
マリウスが勢いよく立ち上がった。
「見損なったよ。ルリ、君はもっと高潔な戦士かと思ってた。それがこんな陰湿な手段を弄する策士だったとは」
「高潔だけでは魔王とは戦えない。20年前、私はそれをいやというほど思い知らされた。だから今度は、同じ失敗は許されないの」
マリウスの身体が揺らぐのを見計い、ルビイも腰を上げる。
皇子は立っているのがやっとの状態で、頭をふらふらさせている。
「それにあなた…ずいぶん具合が悪いみたい」
ルビイは手を伸ばすと、汗で額に貼りついた指でマリウスの巻き毛をかき上げた。
「断るのはあなたの勝手だけど、そう決断する前に、私の部屋で少し休んだらどうかしら?」
「ああ…そうだな」
力なくマリウスがうなずいた。
「どうしたんだろう…? 胸が苦しい…心臓が今にも喉から飛び出しそうだ」
それはそうでしょうね。
心の中で、ルビイはほくそ笑む。
あなたが飲んだ紅茶に入ってたのは、淫魔特製の媚薬なの。
その証拠に…ほら、あそこがあんなに。
マリウスのズボンの前が、異様に膨らんでいる。
勃起した性器の形がそのままわかるほどに。
婚約者につれなくされ、肌に触れることすら許されず、その上媚薬まで飲まされては、若い皇子が長い時間正気を保てるはずがない。
ールビイさま。これであなたも真の悪役令嬢ですー
ふとサトの忍び笑いを聞いた気がして、ルビイはぞくりと身を震わせた。
マリウスの顔から血の気が引いた。
「まさか僕に父を殺せと言うのか? いくら君でも、口にしていいことと悪いことがある!」
ソファから立ち上がろうとするが、ふいにめまいを覚えたようにこめかみを押さえ、どさりと尻もちをつく。
紅茶には、サトが生まれ故郷の村から調達したある薬草の粉が混ぜてある。
それが効き目を現してきたに違いない。
「殺せなんて言っていないわ。これを使うの」
ルビイはガウンの袂から、小さなガラスの小瓶を取り出した。
コルクの蓋の嵌まった瓶の中には、琥珀色の液体が半分ほど入っている。
「それは…?」
マリウスの眼が、ガラス瓶の中の液体に吸い寄せられるように動いた。
「飲んだ者を一時的に痴呆にする薬。人間の考える能力を麻痺させるから、これを飲んだ者には王は務まらない」
「父を痴呆に? な、なんてことを…」
「ずっととは言っていないでしょ。半年たてば、効き目が切れて、脳の機能は自動的に回復するわ。その間に、あなたが玉座に就けばいい。ね、簡単でしょ」
薬の出どころは、紅茶に忍ばせたものと同じである。
インキュバスと人間のハーフであるサトに調達させたのだ。
ルビイには、取り立てて王に恨みはない。
確かにこっちの素性を知られているからには目触りには違いない。
が、別に殺したいとまで思っているわけではなかった。
その点、サトが取り寄せてくれたこの薬はおあつらえ向きだ。
王は半年間、人間的思考のできない獣に戻るだけなのだから。
「断る!」
マリウスが勢いよく立ち上がった。
「見損なったよ。ルリ、君はもっと高潔な戦士かと思ってた。それがこんな陰湿な手段を弄する策士だったとは」
「高潔だけでは魔王とは戦えない。20年前、私はそれをいやというほど思い知らされた。だから今度は、同じ失敗は許されないの」
マリウスの身体が揺らぐのを見計い、ルビイも腰を上げる。
皇子は立っているのがやっとの状態で、頭をふらふらさせている。
「それにあなた…ずいぶん具合が悪いみたい」
ルビイは手を伸ばすと、汗で額に貼りついた指でマリウスの巻き毛をかき上げた。
「断るのはあなたの勝手だけど、そう決断する前に、私の部屋で少し休んだらどうかしら?」
「ああ…そうだな」
力なくマリウスがうなずいた。
「どうしたんだろう…? 胸が苦しい…心臓が今にも喉から飛び出しそうだ」
それはそうでしょうね。
心の中で、ルビイはほくそ笑む。
あなたが飲んだ紅茶に入ってたのは、淫魔特製の媚薬なの。
その証拠に…ほら、あそこがあんなに。
マリウスのズボンの前が、異様に膨らんでいる。
勃起した性器の形がそのままわかるほどに。
婚約者につれなくされ、肌に触れることすら許されず、その上媚薬まで飲まされては、若い皇子が長い時間正気を保てるはずがない。
ールビイさま。これであなたも真の悪役令嬢ですー
ふとサトの忍び笑いを聞いた気がして、ルビイはぞくりと身を震わせた。
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