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第2章 跪いて足をお舐め
#21 魔王の落とし子⑥
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山肌に開いた5つの坑道の入口が、すべて光っている。
まるで光の塊が脈打つように、輝いているのだ。
「な、なんだ?」
カイルがうめいた。
立っていられないほど、地面の揺れがひどい。
「どうしたんだ?」
避難所の引き戸が開いて、バラバラと男たちが飛び出してきた。
「来るんじゃない!」
カイルが叫んだ瞬間、それが起こった。
坑道がひと際強く光り輝いたかと思うと、とてつもなく長い竜の首のようなものが夜空に伸び上がったのだ。
「デスワームだ!」
男たちのひとりが悲鳴を上げた。
「しかも1体じゃない! 5体もいる!」
強力な光源を背景にして、丸太のように太く、数十メートルもの体長をもつ生き物たちがのたうっている。
しかも、5つの坑道すべてから、”それ”が姿を現したのだ。
無数の節でできた長大な身体に、丸い口だけの頭部がついている。
似ているものを挙げるとすれば、それは竜でも大蛇でもなく、水を撒くときに使うゴムホースだった。
あるいは、海辺に生息するゴカイなどの環形動物だ。
先端の丸い口には円周に沿って鋭い歯が何重にも生えそろい、機械のようにぐるぐる回転している。
もしこの場にスナフがいたら、故郷のオフィスでよく見かけるディスポーザーかシュレッダーを連想したことだろう。
「くそっ! まさか5匹もいやがるなんて!」
カイルが吐き捨てるように言った。
「これじゃ、打つ手がない」
地面の揺れが激しくなる。
カイルもルビイも、立ってるのがやっとのありさまだ。
「私に考えがある」
必死で体のバランスを取りながら、ルビイは言った。
「カイル、あなたは村人全員を、安全な所まで避難させるのよ」
まるで光の塊が脈打つように、輝いているのだ。
「な、なんだ?」
カイルがうめいた。
立っていられないほど、地面の揺れがひどい。
「どうしたんだ?」
避難所の引き戸が開いて、バラバラと男たちが飛び出してきた。
「来るんじゃない!」
カイルが叫んだ瞬間、それが起こった。
坑道がひと際強く光り輝いたかと思うと、とてつもなく長い竜の首のようなものが夜空に伸び上がったのだ。
「デスワームだ!」
男たちのひとりが悲鳴を上げた。
「しかも1体じゃない! 5体もいる!」
強力な光源を背景にして、丸太のように太く、数十メートルもの体長をもつ生き物たちがのたうっている。
しかも、5つの坑道すべてから、”それ”が姿を現したのだ。
無数の節でできた長大な身体に、丸い口だけの頭部がついている。
似ているものを挙げるとすれば、それは竜でも大蛇でもなく、水を撒くときに使うゴムホースだった。
あるいは、海辺に生息するゴカイなどの環形動物だ。
先端の丸い口には円周に沿って鋭い歯が何重にも生えそろい、機械のようにぐるぐる回転している。
もしこの場にスナフがいたら、故郷のオフィスでよく見かけるディスポーザーかシュレッダーを連想したことだろう。
「くそっ! まさか5匹もいやがるなんて!」
カイルが吐き捨てるように言った。
「これじゃ、打つ手がない」
地面の揺れが激しくなる。
カイルもルビイも、立ってるのがやっとのありさまだ。
「私に考えがある」
必死で体のバランスを取りながら、ルビイは言った。
「カイル、あなたは村人全員を、安全な所まで避難させるのよ」
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