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#370 家畜遊戯③

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「言ったわね」
 琴子は妖艶に微笑んでみせた。
 次にその目を夫に向けて、
「あなたはどうなの?」
 追い込むように挑発する。
「お、俺だって」
 貧相な胸を張る修一。
 いま改めて見るとその生え際はかなり後退していて、しかも頭頂も少し薄くなっている。
 この人、こんなに冴えない男だったんだわ。
 半年前、嫉妬に胸を痛めた自分に呆れる思いだった。
「なら、始めて」
 ベッドの端に腰かけて、高々と足を組む琴子。
 組んだ足の間からは、むろんスケスケのレースのパンテイが覗いている。
「わ、わかった」
「お、おう」
 琴子の前で向かい合う父親と息子。
 だが、さっきまであれほど昂っていた性器は、ふたりとも、申し合わせたようにすっかり萎んでしまっている。
「くそっ」
 それに気づいて扱きにかかる和夫。
 遅れじとばかりに修一も同じ行為に走る。
「だ、だめだ」
 かなり経ってから、和夫が悲鳴のような声を上げると、
「お、俺もだ」
 修一も、蚊の鳴くような声で同意した。
 もともとゲイの気などかけらもないふたりである。
 しかも、その間柄は父と子ときているのだ。
 互いに欲情し合って、さっそく兜合わせを始めること自体、奇跡といっていい。
「しょうがないわね」
 わざとらしくため息をつくと、琴子はベッドを降り、ふたりの間にしゃがみ込んだ。
「ちょっと、貸して」
 目の前に垂れる二本の陰茎を手に取り、重ね合わせる。
 ふにゃふにゃのユムシのような和夫の仮性包茎ペニスと、むけてはいるがそれよち短い修一の粗末な性器。
 それを手のひらの中に握りこんで、ゆっくりと前後に扱き始めた。
「あうっ」
 最初に反応を示したのは、和夫のほうだった。
 若いことと、仮性包茎のほうが感じやすいこと。
 それが原因で、数度扱いただけで早くも硬さを取り戻しつつある。
 その一本芯の通った練り棒みたいな和夫のペニスを道具にして、萎えたままの修一の粗チンに刺激を与えていく。
 だがそれでも、息子との兜合わせというタブーに心がついていかないのか、修一はなかなか固くなろうとしない。
「なんなの? この情けないフニャチンは?」
 業を煮やした琴子がそう吐き捨てると、修一が恥ずかし気にささやいた。
「すまんが、その、ち、乳首も同時に、触ってくれないか?」
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