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#361 若い牝⑥

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 目を伏せた梨乃は年相応の少女に見え、琴子は彼女に対して初めて優位に立った自分を自覚した。
 だが、気を許してはならない、と思う。
 なんといってもこの子はあの仁美の血のつながった妹なのである。
 どんな魔性を内に秘めているかわからないし、猫を被っているだけでその実筋金入りのレズビアンという可能性だってある。
 確かめなければ…。
 優位に立ったなどと高をくくっていたら、いつ足をすくわれるかわからないのだ。
 ここは慎重に接して、まずはお互いの立ち位置をはっきりさせる必要がある。
 琴子は梨乃に上半身を寄せた。
「試してみる?」
 ノースリーブ同士だから、露な肌と肌が触れ合うかっこうになる。
「今、ここで、ですか…?」
 琴子を見つめる梨乃のハシバミ色の眸に、怯えの色が浮かんだ。
「そうよ」
 顔を寄せていく琴子。
 梨乃はいい匂いがした。
 柔軟剤の芳香に若い牝特有の体臭がうっすらと混じっている。
「で、でも、私、まだ…」
「あら、赤くなった。かわいい」
 近くで見る梨乃の肌はうらやましいくらい綺麗だった。
 きめの細かい乳白色で、手入れが行き届いていて産毛一本生えていない。
 厚めの上唇を梨乃の少しめくれ上がった上唇にそっと触れさせると、
「あ」
 梨乃が喉の奥で小さく声を上げたのがわかった。
 かまわず顔を左右に動かし、唇の先で相手の唇を愛撫する。
 梨乃の身体に力が入るのを感じて、左手を肩に、右手を胸にそれぞれそうっと押し当てた。
 剥き出しの肩を左手の手のひらで撫でながら、気づかれぬよう胸のふくらみを右手の手のひらで覆っていく。
 形よく張り出した梨乃の胸乳は、硬いブラジャーで下から押し上げられている。
「キスはまだなの?」
 唾液で濡らした舌を突き出し、梨乃の唇と唇の間に差し入れる。
 少し力を入れて突っ込むと、梨乃が自分から唇を割って琴子の一部を中に迎え入れてきた。
「ああ…」
 相手の舌を自分の舌で引きずり出し、それを咥えてちゅうちゅう吸い始めると、こもった声で梨乃が喘ぎ出した。
 琴子の右手が器用に動き、迷いのない所作でブラウスのボタンをはずし終えると、やがて目にもまぶしい白いブラに包まれたたわわな乳房がぽろりと外気の中にこぼれ出た。
 
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