360 / 385
#357 若い牝②
しおりを挟む
「とにかく、上がって」
この娘が仁美の妹だとすると、むげに追い返すこともできない。
琴子はとりあえず、彼女を家の中に通すことにした。
「ここで待ってて。今、飲み物をお持ちするわ」
居間に導き、ソファに座らせてから、一瞬、ドキッとなった。
窓が開けてあるとはいえ、ここの空気には琴子の残り香がまだ色濃く漂っている。
なんせ、つい数分前まで、仁美たちとのプレイを反芻して激しい自慰に耽っていたところだったのだ。
琴子の穿いているビキニタイプのショーツ自体、まだ愛液で濡れたままというありさまである。
梨乃と名乗るこの娘に、そのことを気取られたらどうしよう?
が、幸い、梨乃は特に何かに気づいた様子もなく、琴子がテーブルに置いた麦茶のグラスを手に取ると、
「ありがとうございます」
とはにかむように微笑んで軽く頭を下げた。
「お姉さま、仁美さんは、どうなさったの? 最近、お見掛けしないけど」
共通の話題といえば、これしかない。
琴子はそこから切り込むことにした。
「淳一君の具合が悪くって、入院することになったんです」
目を伏せるようにして、梨乃が答えた。
「なんでも、手術の必要があるとかで、それで姉も付き添いに…」
「そうだったの」
そもそも、琴子は仁美の家で子供の姿を見たことがない。
仁美も滅多に話題にすることがないので、彼女がシングルマザーだということもすっかり忘れていたほどなのだ。
「姉はああいう性格ですから、実は淳一君、ついこの前まで、元旦那さんだった方の元に預けられていたんです。いえ、淳一君の親権は一応姉が持ってるんですけど、元旦那さんがとてもいい方で、離婚後も姉のことをいろいろ援助してくださっているんです」
ああいう性格、というのが何を指すのか、琴子には今一つわからない。
ただ仁美が母親向きでないことは、短い付き合いながらもよくわかる。
彼女は生れついての牝なのだ。
母性本能より、性欲を優先するタイプであることは間違いない。
「じゃあ、お子さんの手術が終わるまで、仁美さんは…」
「ええ。病院は元旦那さんの家の近くですから、そこからしばらく淳一君の病室に通うんだと思います。帰るまで、最低一か月はかかるかと…」
一か月も。
琴子は眉をひそめた。
目の前の娘がインターホン越しに告げた言葉を思い出したのだ。
「梨乃さん、とおっしゃいましたね」
「あ、はい」
目をぱちくりさせる梨乃。
近くで改めて見ると、梨乃は肉感的なボデイに童顔を乗せたひどくアンバランスな魅力を持った少女だった。
アニメオタク好みの美少女キャラが現実化したような、とでも言おうか。
十代前半の少女の顔に成人女性の肉体を融合したかのような、そんな危うい官能美を醸し出しているのである。
「仁美さんの事情はよくわかりました。今度は、あなたの要件というのを、詳しく聞かせていただけないかしら」
この娘が仁美の妹だとすると、むげに追い返すこともできない。
琴子はとりあえず、彼女を家の中に通すことにした。
「ここで待ってて。今、飲み物をお持ちするわ」
居間に導き、ソファに座らせてから、一瞬、ドキッとなった。
窓が開けてあるとはいえ、ここの空気には琴子の残り香がまだ色濃く漂っている。
なんせ、つい数分前まで、仁美たちとのプレイを反芻して激しい自慰に耽っていたところだったのだ。
琴子の穿いているビキニタイプのショーツ自体、まだ愛液で濡れたままというありさまである。
梨乃と名乗るこの娘に、そのことを気取られたらどうしよう?
が、幸い、梨乃は特に何かに気づいた様子もなく、琴子がテーブルに置いた麦茶のグラスを手に取ると、
「ありがとうございます」
とはにかむように微笑んで軽く頭を下げた。
「お姉さま、仁美さんは、どうなさったの? 最近、お見掛けしないけど」
共通の話題といえば、これしかない。
琴子はそこから切り込むことにした。
「淳一君の具合が悪くって、入院することになったんです」
目を伏せるようにして、梨乃が答えた。
「なんでも、手術の必要があるとかで、それで姉も付き添いに…」
「そうだったの」
そもそも、琴子は仁美の家で子供の姿を見たことがない。
仁美も滅多に話題にすることがないので、彼女がシングルマザーだということもすっかり忘れていたほどなのだ。
「姉はああいう性格ですから、実は淳一君、ついこの前まで、元旦那さんだった方の元に預けられていたんです。いえ、淳一君の親権は一応姉が持ってるんですけど、元旦那さんがとてもいい方で、離婚後も姉のことをいろいろ援助してくださっているんです」
ああいう性格、というのが何を指すのか、琴子には今一つわからない。
ただ仁美が母親向きでないことは、短い付き合いながらもよくわかる。
彼女は生れついての牝なのだ。
母性本能より、性欲を優先するタイプであることは間違いない。
「じゃあ、お子さんの手術が終わるまで、仁美さんは…」
「ええ。病院は元旦那さんの家の近くですから、そこからしばらく淳一君の病室に通うんだと思います。帰るまで、最低一か月はかかるかと…」
一か月も。
琴子は眉をひそめた。
目の前の娘がインターホン越しに告げた言葉を思い出したのだ。
「梨乃さん、とおっしゃいましたね」
「あ、はい」
目をぱちくりさせる梨乃。
近くで改めて見ると、梨乃は肉感的なボデイに童顔を乗せたひどくアンバランスな魅力を持った少女だった。
アニメオタク好みの美少女キャラが現実化したような、とでも言おうか。
十代前半の少女の顔に成人女性の肉体を融合したかのような、そんな危うい官能美を醸し出しているのである。
「仁美さんの事情はよくわかりました。今度は、あなたの要件というのを、詳しく聞かせていただけないかしら」
0
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる