上 下
330 / 385

#327 迸る淫汁⑫

しおりを挟む
「キス・・・して、ください」
 いつのまにやら、その言葉が口をついて出た。
 -私ったら、何を・・・?
 言ってしまってから赤くなるが、もう遅い。
 仁美の紅い唇が、にいっと口角を吊り上げた。
「琴子さん、今、なんておっしゃったの? ごめんなさい、声が小さくって、聞き取れませんでしたわ」
 慇懃無礼な言い回しがわざとらしい。
 琴子をいたぶるうちに、仁美はすっかり深窓の令嬢みたいなキャラに変貌している。
「・・・・・・」
 琴子は顔を背けた。
 その間にも、チエミの突きは止まらない。
 ”水牛の角”が斜め下から膣前庭部を突き上げ、Gスポットを突いて突いて突きまくる。
「もう一度、おっしゃってくださらない?」
 仁美の瓜実顏が危険なほど近づき、琴子の耳朶に息を吹きかけた。
 甘い、薔薇の匂いのするその吐息は、まるで媚薬のように琴子の鼻孔をくすぐった。
「キ、キス・・・して・・・」
 ハアハアハアハア・・・。
 喘ぎ声の合い間から、蚊の鳴くような声で、琴子が言う。
 いけないとわかっていても、言わずにはいられなかった。
 膣にめり込む双頭バイブも、乳首を嬲る仁美の指技も、どれもこれもが気持ちいい。
「キス? 今、キスとおっしゃったんですか?」
 ただでさえ大きな仁美の眼が、異様な輝きを放って見開かれる。
「琴子さんが、このわたくしとキスを? うふふふふ、光栄ですわ」
 すうっと接近する仁美の唇。
 迎えるように口を尖らせる琴子。
 がー。
 その震える唇が、仁美のキスで満たされることは、なかった。
 ギリギリのところで、琴子の口吻の先端をかすめるように仁美が唇を離してしまったのだ。
「あ」
 琴子の喉から驚きの声が上がった。
 胸底に痛いほどの失望がこみ上げる。
「まだですわ」
 背筋を伸ばし、琴子の前で正座するような姿勢を取ると、仁美が言った。
「キスはお互いもっと燃え上ってから。それにはまだ、やるべきことが山積みですもの」
 燃え上がるために、やるべきこと?
 それが、山積み、って?
 心の中で仁美の言葉を反芻する琴子。
 その意味が脳内に浸透すると、動悸が激しくなるのを抑えきれなくなった。
 

 
  
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

男友達を家に入れたら催眠術とおもちゃで責められ調教されちゃう話

mian
恋愛
気づいたら両手両足を固定されている。 クリトリスにはローター、膣には20センチ弱はある薄ピンクの鉤型が入っている。 友達だと思ってたのに、催眠術をかけられ体が敏感になって容赦なく何度もイかされる。気づけば彼なしではイけない体に作り変えられる。SM調教物語。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

処理中です...