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#285 マグロと化した熟女④

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 透明なボディスーツを着せられ、あまつさえ空気を抜かれて真空パックされた琴子は、さながら等身大の芋虫だ。
「エロ~い!」
 その姿を見て、ダダ子とチエミが手を叩いて喜んだ。
 裸体に全身スーツの素材が貼りつき、琴子の起伏に富むボディラインをよりいっそう際立たせているのである。
 リアルとの間に明確な曲線を引かれたかのように、官能的な肉体の形がくっきり浮き彫りになっているのだ。
 しかも、全身スーツはその名の通り、琴子の頭部をもすっぽりと包み込んでいる。
 空気を抜かれたせいでスーツの皮は琴子の顔面を圧迫し、高い鼻を押し潰して、唇を無様に歪めてしまっている。
 サディストの気があるダダ子とチエミには、それが思いっきりツボにはまったらしい。
「どストライクのエロさですよ、これ!」
 ふたりはもがく琴子に顔を寄せ、スーツ越しに見えるその苦悶の表情を愉しんでいる。
 仁美はリーダーの威厳を見せてゆっくりふたりに近づくと、そのたくましい肩越しに琴子の顔をのぞき込んだ。
 あんなに美しかった琴子の顔面が、今は跡形もなく崩れ果てている。
 潰れた鼻と引き攣った唇、頭に貼りついた黒髪。
 その中で、恐怖に怯えた瞳の美しさだけは、変わっていない。
「でも、かなり苦しそうですよ。空気穴とか開けてやんなぬて、いいんですか?」
 仁美を振り仰ぎ、ダダ子が心配そうに言う。
 言いながらも、その手は琴子の左の乳房を滅茶苦茶に揉みしだいている。
 対面では、右の乳房にチエミが同じことをしていた。
 人工繊維越しに揉む乳房は、ナマの時とと感触が違っていて、それがまた手のひらに気持ちいいのだ。
「もう少し待ちましょう」
 仁美は嫣然と微笑んだ。
「琴子さんには、死の淵を見てもらいます。臨死体験が性の悦楽をいかに引き立てることになるのか、私は彼女にそれを教えて差し上げたいのです」
 
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