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#273 トレーニングルームは蜜まみれ⑮
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「やめ…ないで」
気がつくと、琴子は頬を紅潮させ、湿った声音でそうつぶやいていた。
「え? なんですか? もう一度」
右耳に手を当て、仁美がわざとらしく訊き返す。
「やめないで、ください」
恥ずかしさを振り切って、声を張り上げた。
「やめないでって、何をです? 大きな声で、ちゃんと聞こえるように言ってくださいな」
目を真ん丸にして、仁美が更に訊く。
そのわざとらしい顏が、琴子には憎らしくてならない。
んもう、わかってるくせに。
まったく、人をどこまで侮辱すれば気が済むの?
「マッサージ…」
顏を背けて、琴子は答えた。
「ちゃ、ちゃんと、マッサージ、してほしい…」
「どこを、何で、です? もう一度、大きな声で」
仁美の挑発に、チエミとダダ子がくすくす笑う。
ふたりとも、琴子の肌に触れるか触れないかの位置で、電動マッサージ器を振動させている。
振動が空気を震わせ、その空気が過敏になった両の乳首に触れ、乳頭がむずむずと火照ってならない。
「そ、それは…」
恥ずかしかった。
でも、言うしかない。
そうしなければ、それこそ蛇の生殺しである。
性的な場でマウントをとるのに慣れている仁美のことだ。
琴子が妄想で気が狂うまで放置し続けるに違いない。
「その、三本の電動マッサージ器で、私の、その、チ、チクビと、し、下を…」
琴子の口から、卑猥な言葉が、数珠つなぎになって、こぼれ出す。
「下? 乳首はわかりますけど、下って、どこですか? ちゃんと名前で言ってくださらないと、わたくしたち、どうしていいか、わかりませんわ」
からかうように声のトーンを上げて、どこかおどけた表情で仁美が言いつのる。
「く、くり…」
琴子の目尻から、わけもなく、涙がこぼれ出た。
「クリ? 栗がどうかしたんですか?」
「意地悪」
とぼけ続ける仁美を、琴子は恨めしそうな眼で睨んだ。
「じゃあ、はっきりと、こうおっしゃって」
仁美がくびれた腰に両手を当て、そんな琴子を睨み返す。
「『あたしの淫汁まみれの淫らな勃起クリトリスを、そのいやらしい電マで滅茶苦茶に愛撫してください、どうかお願いです』って」
気がつくと、琴子は頬を紅潮させ、湿った声音でそうつぶやいていた。
「え? なんですか? もう一度」
右耳に手を当て、仁美がわざとらしく訊き返す。
「やめないで、ください」
恥ずかしさを振り切って、声を張り上げた。
「やめないでって、何をです? 大きな声で、ちゃんと聞こえるように言ってくださいな」
目を真ん丸にして、仁美が更に訊く。
そのわざとらしい顏が、琴子には憎らしくてならない。
んもう、わかってるくせに。
まったく、人をどこまで侮辱すれば気が済むの?
「マッサージ…」
顏を背けて、琴子は答えた。
「ちゃ、ちゃんと、マッサージ、してほしい…」
「どこを、何で、です? もう一度、大きな声で」
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ふたりとも、琴子の肌に触れるか触れないかの位置で、電動マッサージ器を振動させている。
振動が空気を震わせ、その空気が過敏になった両の乳首に触れ、乳頭がむずむずと火照ってならない。
「そ、それは…」
恥ずかしかった。
でも、言うしかない。
そうしなければ、それこそ蛇の生殺しである。
性的な場でマウントをとるのに慣れている仁美のことだ。
琴子が妄想で気が狂うまで放置し続けるに違いない。
「その、三本の電動マッサージ器で、私の、その、チ、チクビと、し、下を…」
琴子の口から、卑猥な言葉が、数珠つなぎになって、こぼれ出す。
「下? 乳首はわかりますけど、下って、どこですか? ちゃんと名前で言ってくださらないと、わたくしたち、どうしていいか、わかりませんわ」
からかうように声のトーンを上げて、どこかおどけた表情で仁美が言いつのる。
「く、くり…」
琴子の目尻から、わけもなく、涙がこぼれ出た。
「クリ? 栗がどうかしたんですか?」
「意地悪」
とぼけ続ける仁美を、琴子は恨めしそうな眼で睨んだ。
「じゃあ、はっきりと、こうおっしゃって」
仁美がくびれた腰に両手を当て、そんな琴子を睨み返す。
「『あたしの淫汁まみれの淫らな勃起クリトリスを、そのいやらしい電マで滅茶苦茶に愛撫してください、どうかお願いです』って」
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