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#162 痴女の罠⑩
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琴子は改めて目の前の夫婦を観察した。
いわゆるノミの夫婦とは、このふたりのような関係のことをいうのだろう。
家庭でも、妻が絶大な権力を握っているのに違いない。
どちらにせよ、この貧相な小男を勃起させるのは造作もないことのように思われた。
頭頂部が薄くなりかけた頭、ボコン突き出た腹、どこをとっても女性にもてそうな要素はない。
妻以外の女は知らないのではないか。そんな気がした。
ならば、フェラチオでもしてやれば、琴子の役目は終わるはずである。
「では、旦那さんはこちらにおいでください。奥様は、最初はそこで見ているということでいいですか」
自分の座っているソファの横を空け、琴子は言った。
寝室を提供してやるつもりなど、さらさらなかった。
すべてこの居間で用を済ませてしまえばいいのだ。
自室にいる和夫に気づかれる可能性はあるが、その時はその時のこと。
元はといえば、琴子がこんな目に陥ったのは、和夫のせいでもあるのだから。
が、町田夫婦が一筋縄ではいかない地金を垣間見せたのは、その時だった。
「その前に、これに着換えてもらえませんか?」
妻の綾子が、テーブルの上に四角い紙包みを滑らせて、意味ありげに言ったのだ。
「これは…?」
琴子が紙包みを警戒するように見ると、
「いやね」
照れたように禿頭を掻いて、夫の勇作が補足した。
「怪しいモノじゃありません。それは娘が中学生の時に着ていたもので…。娘も成人して家を出ましてですね、子どもの頃のものがまだ色々とってあるんですよ」
おそるおそる紙袋の口を開いて中をのぞきこむと、入っていたのは白い夏服のセーラー服と紺のプリーツスカートだった。
「古いといっても、クリーニングに出したばかりですから、不潔ではありません。新品同様でよ」
勇作はただでさえ細い眼を更に細めて、ひどくうれしそうである。
「夫は変態ですから」
そんな夫を横目でにらみ、吐き捨てるように、綾子が言った。
「こうしないと勃起しないんですよ。私も何度、娘の体操服やスクール水着を着せられたことか」
いわゆるノミの夫婦とは、このふたりのような関係のことをいうのだろう。
家庭でも、妻が絶大な権力を握っているのに違いない。
どちらにせよ、この貧相な小男を勃起させるのは造作もないことのように思われた。
頭頂部が薄くなりかけた頭、ボコン突き出た腹、どこをとっても女性にもてそうな要素はない。
妻以外の女は知らないのではないか。そんな気がした。
ならば、フェラチオでもしてやれば、琴子の役目は終わるはずである。
「では、旦那さんはこちらにおいでください。奥様は、最初はそこで見ているということでいいですか」
自分の座っているソファの横を空け、琴子は言った。
寝室を提供してやるつもりなど、さらさらなかった。
すべてこの居間で用を済ませてしまえばいいのだ。
自室にいる和夫に気づかれる可能性はあるが、その時はその時のこと。
元はといえば、琴子がこんな目に陥ったのは、和夫のせいでもあるのだから。
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「その前に、これに着換えてもらえませんか?」
妻の綾子が、テーブルの上に四角い紙包みを滑らせて、意味ありげに言ったのだ。
「これは…?」
琴子が紙包みを警戒するように見ると、
「いやね」
照れたように禿頭を掻いて、夫の勇作が補足した。
「怪しいモノじゃありません。それは娘が中学生の時に着ていたもので…。娘も成人して家を出ましてですね、子どもの頃のものがまだ色々とってあるんですよ」
おそるおそる紙袋の口を開いて中をのぞきこむと、入っていたのは白い夏服のセーラー服と紺のプリーツスカートだった。
「古いといっても、クリーニングに出したばかりですから、不潔ではありません。新品同様でよ」
勇作はただでさえ細い眼を更に細めて、ひどくうれしそうである。
「夫は変態ですから」
そんな夫を横目でにらみ、吐き捨てるように、綾子が言った。
「こうしないと勃起しないんですよ。私も何度、娘の体操服やスクール水着を着せられたことか」
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