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#99 二重奴隷⑳

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 仁美の言うエステは、2階フロアの奥に位置していた。
 通路を曲がった先で、ぱっと見、そんなところに店があるとは思えない場所である。
 ピンクの文字で『ピンキッシュ』と書かれた看板には、施療中の女性の写真が何枚か貼られていた。
 仁美に連れられて中に入った琴子が驚いたのは、迎えに出てきた店員が意外に若いことだった。
 白い体操服にオレンジ色のブルマを穿いたふたりは、女子高生といっても通りそうな雰囲気だ。
「きょうは、大切なお友だちをお連れしたの。こちらが琴子さん」
 慇懃に頭を下げる女店員に向かって、仁美が琴子を紹介する。
「ミカです」
 ボーイッシュな髪型の、目つきの鋭い少女が上目遣いに琴子を見た。
「アミです」
 もうひとりは、ミカに比べ、どちらかというと地味な印象の娘である。
「ミカちゃん、ちょっと」
 仁美がミカを呼び、近づいてきた彼女に顔を寄せ、何事か耳打ちをした。
 ふたりのうち、おそらくこっちの娘が、この店の店長格ということなのだろう。
「ということだから、後はよろしくね」
「わかりました」
 うなずいて、ミカが意味ありげに琴子を一瞥する。
「マッサージだけでなく、”あれ”も、なんですね。おまかせください」
 ”あれ”?
 ”あれ”って、何だろう?
 琴子が不安に苛まれていると、ミカがカーテンの奥を指差した。
「では、お客さま。まずはシャワーを。シャワー室は、そのカーテンを入った向かって左側です」
「あ、はい」
 どぎまぎする琴子に、
「じゃ、がんばって」
 仁美がひらひらと手を振った。
「1時間もしたら、戻ってきますから」


 ひとり用のシャワー室は狭かったが、身体を洗えるのが、琴子には何よりもありがたかった。
 全身の汗と襞と襞の間にこびりついた愛液を流し終えて、膣の内部に人差し指を入れてみた。
 中ではローターがまだ振動している。
 ソーセージで最深部まで押し込まれたせいで、容易に引き出せそうにない。
 幸い、仁美がリモコンで強度を『弱』に戻したらしく、振動は我慢できないほど強くはない。
 無理に引きずり出すのはやめ、裸身に備え付けのローブを羽織って、シャワー室を出た。
 部屋の中央にはベッドがあり、ミカとアミがそのかたわらに佇んで琴子を待っていた。
「どうぞ、ローブを脱いで、そのままベッドに仰向けに寝てください」
「え? 私、下は裸なんですけど」
 尻込みする琴子に、ミカが笑いかけた。
「エステは初めてですか? この手のお店では、みんなそうなんですよ」
 言われてみれば、そうかもしれない、と思う。
 表の看板の写真の女性も、裸の上にシーツみたいなものをかけられていた。
 意を決してローブを脱ぎ、近づいてきたアミに手渡すと、琴子はベッドの上に身を横たえた。
「では、まず膝を立て、両足を開いてください」
 琴子の足の側に回ったミカが言った。
 右手に剃刀、左手にチューブ状の容器を持っている。
 どうして、剃刀が?
 琴子は身を固くした。
「な、何をするんですか?」
「剃毛です」
 口元にうっすらと、微笑をたたえて、ミカが答えた。
「仁美さまのご要望です。マッサージに入る前に、琴子さまのアンダーヘアを処理するようにと」

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