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#86 二重奴隷⑦

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 カチッとかすかな音がした。
 電車の立てる騒音の間をすり抜け、それは確かに琴子の耳に届いたようだった。
 仁美がついに、ワイヤレス・リモコンのスイッチを入れたのだ。
 とたんに、身体の中心で振動が始まった。
 蜜壺の中で震え始めたローターが、周囲の肉壁を震わせ、それが快感の波にとって代わった。
 異物を包みこもうと、反射的に不随意筋が蠢き、急速に収縮した膣が振動するローターを包み込む。
 その瞬間、激烈な疼きが秘所を中心に拡散し、琴子は危うく大声を上げそうになった。
 たまらず口の中のペニスを咥え込む。
 気を紛らわすために竿の部分を両手で握り、激しく前後に口を動かした。
「き、君・・・」
 突然の積極的なフェラチオに、初老の男が腰砕けになった。
「だ、だめだ、で、出る」
 ぶしゅっと音を立てて、白濁した精液が琴子の口いっぱいにあふれ出た。
 ペニスを離すと、琴子は身悶えしながらシートに横倒しになった。
 あまりの快感にまっすぐ座っていられず、左隣の学生の膝の上に倒れ込んだのだ。
 学生があわてて立ち上がる。
 ひと呼吸遅れて、小太りの男が席を譲った。
 空いたシートの上に仰向けになった琴子は、額と踵で身体を支え、ブリッジするように身体を反らしている。
 タイトミニは腰までめくれあがり、小さなパンティに包まれたボリューミイな下半身が丸出しになっている。
 反り返った胸では、勃起した乳首がニットの表面を押し上げ、くっきりとその卑猥な形を浮き立たせていた。
 はあはあ喘ぎ、びくんびくんと痙攣する琴子の周りに、何事かと一旦退いていた男たちが再び集まってきた。
 四方八方から手が伸びてきて、琴子の躰を触り出す。
 たちまちのうちにタンクトップをめくり上げられ、たわわな乳房を剥き出しにされた。
 その真っ白な乳房を、伸びてきた複数の手が、潰さんばかりに乱暴に揉み始める。
 精液を垂らす口に接吻してくる者、腕を上げさせ、曝け出された腋の下を舐めてくる者、パンプスを脱がせ、足の指を口に含んで吸ってくる者ー。
 短い間に、地下鉄の車内は、もはや完全なる退廃の園と化してしまっていた。
 複数の見知らぬ男たちの全身愛撫と膣内のローターの振動のせいで、琴子は気も狂わんばかりに感じてしまっている。
 ブリッジの姿勢から反転して犬のように四つん這いになると、会陰部とアナルに食い込んだTバックパンティの隙間から激しく潮を吹いた。
 が、男たちはいっこうに凌辱行為をやめようとしなかった。
 自重で垂れ下がった豊満な乳房が揉みしだかれ、尖り切った勃起乳首を指先できつくねじられた。
 膣に食い込んだ紐状パンティを引っ張り上げられ、充血したクリトリスをこすり上げられた。
 口には代わる代わる何本ものペニスが突っ込まれ、微妙に味の違う精液をぶちまけられた。
「あんあんあんあんっ」
 琴子の喉から、歓喜の声が迸る。
 地下鉄の暗い窓が鏡になり、行きずりの男たちに嬲られる半裸の女を克明に映し出していた。
 むっちりした太腿が震え、張り出した丸い尻が愛液で濡れ光っている。
 アクメを迎えつつあるその顔は、明らかに淫蕩に耽る痴女のものだ。
 最高だわ・・・。
 琴子は涅槃の境地に達しようとしていた。
 夫とのセックスより、よほどいい。
 心の底から、そう思った。
 ノーマルなセックスでは味わえない刺激が、ここにはある。
 たくさんの第三者の目にさらされるのも、また彼らにぼろ布のように身体中をまさぐられるのも、みんなー。
 気持ちよくてならないのだ。
「入れて」
 優美な丸いカーブに沿ってつるりとパンティを脱ぐと、琴子ははち切れんばかりの尻を突き出し、哀願した。
「お願い・・・誰か入れてちょうだい・・・。私、もう、我慢できないの・・・」
 

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