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#85 二重奴隷⑥

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 仁美が用意してきたのは、白いニットのタンクトップと、極端に短いタイトミニだった。
 仁美のお古という割には、保存状態がよく、新品といってもおかしくない。
 ただ、問題は、そのデザインである。
「20代の頃、中学校の教師をしてた時、よくこれを着てたの。生徒たちの視線がとっても気持ちよくって・・・」
 仁美が元教師だったというのも驚きだったが、この格好で教壇に立つ度胸に琴子は仰天した。
 タンクトップは素材が肌にフィットするニットであるだけに、ブラをつけていないと否が応でも乳首の突起が目立ってしまう。
 スカートに至っては股下すれすれで、座ったが最後、パンティのVゾーンが丸出しになってしまうほどなのだ。
「こ、この格好で、外出しろと?」
 ノーブラの上からタンクトップを着込み、発達した下半身にタイトミニを穿いた琴子は、別人のようにふしだらに見える。
 しかも、膣の中には、仁美が埋め込んだあのローターを装着したままなのだ。
「私より肉感的な分、とってもお似合いよ」
 一歩下がって琴子のファッションを品定めしながら、感心したように仁美が言った。
「でも私、もう若くないし・・・タンクトップはまだしも、さすがにミニスカートなんて・・・」
 この歳でこんなファッションで街を歩いて、笑われはしないだろうか。
 そんな恐怖心が先に立つ。
 20代の頃ですら、ここまで短いスカートは穿いたことがないっていうのに・・・。
「そんなにご自分を卑下しちゃだめですよ。琴子さん、顏も若々しいし、肌の艶もいいし、とてもアラフォーには見えません。そのすらりとした脚も素敵だわ。細すぎもせず太すぎもせず、まさに殿方の理想ではありませんか」
「そんなこと・・・」
 スカートの裾をいくら下に引っ張っても無駄だった。
 これでは足を前後に動かすだけで、下着が見えてしまうに違いない。
「うそだと思うなら、試してみましょうか。あなたの魅力がどれほどのものなのか」
 意味ありげな微笑みを口元に浮かべて、仁美が言った。
「試すって・・・それ、どういうこと?」
 不安に駆られ、琴子は訊き返した。
 無線ランのローターのリモコンは、仁美が持っている。
 衆人環視の場であれのスイッチを入れられたらー。
 それを想像するだけで、身体の芯がまた疼く。
「移動は、タクシーではなく、地下鉄を使います。あなたの姿を、なるべく多くの人に見てもらえるように」 
 手のひらの上でリモコンを転がしながら、仁美が続けた。
「ご自分が周囲に年甲斐もなくと嫌悪されるのか、素敵なビッチだと称賛されるのかー。ふふっ、とっても楽しみだと思いません?」




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