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#45 奉仕する牝犬⑧
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安田の精液は水のように薄かった。
そういえば、最初に琴子の口の中で果てた老人もそうだった。
ついさっき飲み干した高木少年や梶田のスペルマとは大違いだ。
男というものは、歳を取るにつれて精子の数が減っていき、それに比例して精液が薄まっていくらしい。
だが、その分安田の精液は匂いもきつくなく、飲み干すのに苦労しないで済んだ。
その安田は、今は床に這いつくばり、ベッドの端に腰かけた琴子の足を伏し拝んでいる。
「奥さん、ありがとう。あなたは私の命の恩人です。定年退職して抜け殻のようになっていた私に、あなたは生きる希望を与えてくれた・・・。私、あなたのためなら何でもします。いっそ、あなたの奴隷になりたいくらいだ・・・」
そう言いながら琴子の右足を取り、足の甲に頬ずりしてくる始末だった。
「やめてください。そんな、大げさな・・・」
琴子は顔を赤らめた。
「皆さんさえよろしければ、明日また来ますから」
「本当ですか?」
安田が顏を上げた。
少女漫画の主人公のように、瞳がきらきら輝いている。
安田だけではなかった。
高木少年と梶田が目を交わし合い、それから熱いまなざしで琴子を見た。
「じゃあ、きょうはこのへんで」
胸と股間を手で隠して、琴子が立ち上がった時である。
「奥さんや、ひとつ大事なことを忘れておらぬかな?」
鶴のように痩せた老人が、琴子の前に立ちふさがった。
「え? なんですか? 大事なことって?」
琴子は長い睫毛をしばたたかせた。
「わしじゃよ。わしはまだ、してもらっておらん」
「そ、それは・・・」
琴子は仰天した。
そもそもこのフェラチオ祭りが始まったきっかけは、この老人がどさくさに紛れて琴子の口にペニスを突っこみ、勝手に射精したからなのだ。
あの時は、ほとんど奉仕する間もなく逝ってしまったくせに・・・。
「鶴松じいさん、あんた、一番先に逝ってたじゃないか。なのにまだかあさんにしてほしいってか?」
茶化すように和夫が口をはさんできた。
意外な成行きを楽しんでいるのか、包帯の下部に開いた口の部分が、笑みの形に吊り上がっている。
「あれは事故じゃ」
わざとらしい咳ばらいをひとつして、老人が弁解した。
鶴みたいだから鶴松でもないだろうが、名は体を表すとはまさにこのことだ。
「わしもまた、他の者たちのように、心を込めてこれをしゃぶって欲しいのじゃ」
老人の病衣の前はすっかりはだけられ、骨格標本のような醜悪な裸体が見えている。
まばらな白い陰毛の中からだらりと下がったペニスは、ただ長いだけでまったく力がない。
「私にできるかしら・・・?」
琴子は正直な感想を口にした。
見た感じ、鶴松老人は優に80歳を超えていそうである。
そんな老人を、短時間に二度も続けて射精させるだなんて、どう考えても至難の技だろう。
「まずはわしを興奮させとくれ」
ぎょろりとした眼で琴子を睨んで、老人が言った。
「それには先に、わしがあんたを興奮させる必要がある」
「な、何をなさる気ですか?」
老人の気迫に押されて、琴子はまたベッドに尻もちをついていた。
「こうじゃ」
おもむろに口の中に指を突っこむと、老人が入れ歯を外した。
右手に外した入れ歯を持ち、左手の指を鉤のように曲げて、ゾンビのように近づいてくる。
「面白いじゃないか。やってあげなよ、かあさん」
リアル木乃伊男の和夫が、楽しげに手を叩いてけしかけた。
「ただしセックスは無しだ。セックス抜きでその老いぼれを、なんとしてでも逝かせてやるんだよ」
そういえば、最初に琴子の口の中で果てた老人もそうだった。
ついさっき飲み干した高木少年や梶田のスペルマとは大違いだ。
男というものは、歳を取るにつれて精子の数が減っていき、それに比例して精液が薄まっていくらしい。
だが、その分安田の精液は匂いもきつくなく、飲み干すのに苦労しないで済んだ。
その安田は、今は床に這いつくばり、ベッドの端に腰かけた琴子の足を伏し拝んでいる。
「奥さん、ありがとう。あなたは私の命の恩人です。定年退職して抜け殻のようになっていた私に、あなたは生きる希望を与えてくれた・・・。私、あなたのためなら何でもします。いっそ、あなたの奴隷になりたいくらいだ・・・」
そう言いながら琴子の右足を取り、足の甲に頬ずりしてくる始末だった。
「やめてください。そんな、大げさな・・・」
琴子は顔を赤らめた。
「皆さんさえよろしければ、明日また来ますから」
「本当ですか?」
安田が顏を上げた。
少女漫画の主人公のように、瞳がきらきら輝いている。
安田だけではなかった。
高木少年と梶田が目を交わし合い、それから熱いまなざしで琴子を見た。
「じゃあ、きょうはこのへんで」
胸と股間を手で隠して、琴子が立ち上がった時である。
「奥さんや、ひとつ大事なことを忘れておらぬかな?」
鶴のように痩せた老人が、琴子の前に立ちふさがった。
「え? なんですか? 大事なことって?」
琴子は長い睫毛をしばたたかせた。
「わしじゃよ。わしはまだ、してもらっておらん」
「そ、それは・・・」
琴子は仰天した。
そもそもこのフェラチオ祭りが始まったきっかけは、この老人がどさくさに紛れて琴子の口にペニスを突っこみ、勝手に射精したからなのだ。
あの時は、ほとんど奉仕する間もなく逝ってしまったくせに・・・。
「鶴松じいさん、あんた、一番先に逝ってたじゃないか。なのにまだかあさんにしてほしいってか?」
茶化すように和夫が口をはさんできた。
意外な成行きを楽しんでいるのか、包帯の下部に開いた口の部分が、笑みの形に吊り上がっている。
「あれは事故じゃ」
わざとらしい咳ばらいをひとつして、老人が弁解した。
鶴みたいだから鶴松でもないだろうが、名は体を表すとはまさにこのことだ。
「わしもまた、他の者たちのように、心を込めてこれをしゃぶって欲しいのじゃ」
老人の病衣の前はすっかりはだけられ、骨格標本のような醜悪な裸体が見えている。
まばらな白い陰毛の中からだらりと下がったペニスは、ただ長いだけでまったく力がない。
「私にできるかしら・・・?」
琴子は正直な感想を口にした。
見た感じ、鶴松老人は優に80歳を超えていそうである。
そんな老人を、短時間に二度も続けて射精させるだなんて、どう考えても至難の技だろう。
「まずはわしを興奮させとくれ」
ぎょろりとした眼で琴子を睨んで、老人が言った。
「それには先に、わしがあんたを興奮させる必要がある」
「な、何をなさる気ですか?」
老人の気迫に押されて、琴子はまたベッドに尻もちをついていた。
「こうじゃ」
おもむろに口の中に指を突っこむと、老人が入れ歯を外した。
右手に外した入れ歯を持ち、左手の指を鉤のように曲げて、ゾンビのように近づいてくる。
「面白いじゃないか。やってあげなよ、かあさん」
リアル木乃伊男の和夫が、楽しげに手を叩いてけしかけた。
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