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#36 肉欲の疼き⑲

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 予感がしたのかもしれない。
 いや、予感というより、願望だろうか。
 翌日、琴子は着脱しやすいワンピース一枚で病院に出かけた。
 下着も、申し訳程度に胸を覆うチューブトップ型のブラと、際どいビキニショーツだけである。
 髪もほどき、できるだけセクシーに見えるよう、肩に流した。
 むろん、メイクはきのう同様、思い切って濃くしてある。
 病室に入るなり、ものも言わずに例の4人に取り囲まれた。
 立ったままワンピースを脱がされ、下着をはぎ取られて、丸裸にされた。
 誰かに押され、ひとつだけ空いたベッドにつき転がされた。
 四方から手が伸びてきて、乳房を揉まれ、膝を開かれて、局部をまさぐられた。
 それだけで十分だった。
 琴子は濡れた。
 疼くような愉悦に思わず甘い吐息を吐いていた。
 少年が左の乳房に吸いつき、舌で乳首を転がしている。
 右の乳房には丸々と太った安田がとりつき、器用に揉みしだきながら指で巧みに乳首を弾いている。
 髪の長い陰気な男が琴子の両足を抱え上げ、股間に顔をうずめてきた。
 喘いだ口を塞いできたのは、老人のペニスである。
 小便臭いペニスは、始めのうち萎れていたが、夢中でしゃぶっているうちに奇跡的に勃起した。
 嗜虐心に駆られて琴子が右手でしごくと、数度手を上下させただけであっけなく暴発した。
「おお、奥さん、フェラチオ、お上手のようだ」
 唇の端から老人の精液を垂らした琴子を見て、安田がうれしそうに言った。
 老人の放った精液は量も少なく、粘着度も低い。
 その水みたいな液体を、琴子はあらかた飲んでしまっている。
「どうですか? 皆さん、きょうは順番に、奥さんにおフェラをしてもらうというのは」
 安田の提案に、
「いいね、それ」
 早速反応したのは、いつものように”観客”に徹した和夫である。
 自ら手を下さず、他人に凌辱される母親を見て、オナニーをする。
 それがここのところの和夫の日課なのだ。
 実際に和夫相手に性行為をするのは、琴子にもさすがに抵抗があった。
 だが、見られるだけというのは、話が別だった。
 実の子どもにはしたない姿を見られることに、琴子は妙に興奮する自分を感じていた。
 あるいは和夫は、そのあたりの効果を狙っているのかもしれなかった。
 退院した後、母親の身も心もすべて完全に自分のものにするために、琴子の抵抗感を取り払おうと画策しているのかもしれない・・・。
 ほかの3人にも、異存はないようだった。
 凌辱から解放され、ベッドの端に座ると、4人が前に一列に並んだ。
 先頭は、和夫と同年代のあの寡黙な少年である。
「こんなおばさんでも、いいのかしら?」
 病衣の前を開き、下着の非常口から鉛筆のように尖った性器をつまみ出すと、赤面して今にも火を噴きそうな少年の顔を見上げて、琴子はたずねた。
「おねがい・・・します」
 かすれ切った声で少年が言い、そのあまりの可愛らしさに琴子はついくすっと笑ってしまう。
「いいのよ。じゃあ、おばさんが、気持ちよくしてあげる」
 性器を握り直し、まず状態を確かめる。
 少年のペニスは、亀頭が長すぎる包皮に半ば以上隠れている。
 勃起しているせいで一部分だけ露出しているが、とても十分とはいえないのだ。
 仮性包茎のペニスは、扱いが難しい。
 いきなり包皮を剥いては、痛がるに決まっている。
 琴子は唇をすぼめると、少年の金魚の口みたいな包皮の先に、そっとその柔らかな唇を押しつけていった。
 

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