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#35 肉欲の疼き⑱
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その”儀式”は、琴子を牝に変えた。
閉ざされた病室でベッドに横たわり、見知らぬ4人の男たちに身体中をまさぐられるー。
自慰に耽る時、頭に思い浮かべるふしだらな妄想がいきなり現実化したような、異常極まりないシチュエーション。
それは明らかに、琴子の肉体の奥底で眠っていた獣の部分を引き出したようだった。
その日の凌辱は、1時間ほどで終わった。
医師の回診の時間になったからだった。
「じゃ、また明日ね」
ノックの音に、急いで服を着込むと、上気した顔の和夫に向かって琴子は言った。
「お待ちしてますよ」
答えたのは安田だった。
ほかの4人も、つられてかすかにうなずいた。
「かあさん、素敵だった」
和夫はずいぶん機嫌がいいようだ。
「俺が退院するまで、その調子で頼んだよ」
やってきた医師と看護師に軽く会釈して背を向けると、琴子はそそくさと病院を後にした。
足が地につかないようにふわふわしていた。
明日もまた、こうなるのだろうか。
バスに揺られ、想像した。
とたんに、股間で何か温かいものがぬるりと動くのがわかった。
不思議と嫌悪感はなかった。
いや、それどころか、胸の鼓動が激しくなっている。
楽しみを見つけた子どものように、期待で躰が震えるのがわかるのだ。
私ったら・・・。
車窓を過ぎる景色を見ることなく眺めながら、琴子はひとり顏を赤らめた。
ちくりと胸が痛んだのは、夫のことを思い出したせいだった。
あなた・・・ごめんなさい。
心の中で、つぶやいてみる。
が、すぐに投げやりな気分がそれに置き変わった。
あの人は、私のことなんか、なんとも思っていない。
私が他人に抱かれようと、おそらく平気に違いない。
だって、彼には、あの女がいるんだもの…。
ならば、少しぐらい私が楽しんだって、責められる筋合いはないはずだ。
少なくとも、私はセックス自体はまだしていない。
彼の背信行為に比べたら、こんなの可愛いものだろう…。
「まだ」という言葉に、引っかかりを覚えた。
明日以降も琴子は和夫の見舞いに通うつもりでいる。
おそらく、儀式は毎日繰り返されることだろう。
いみじくも最初和夫が言ったように、慣れてくればそれはどんどんエスカレートしていくに違いない。
となると、いつか、その行為がセックスにまで行きつく可能性は十分にある・・・。
見知らぬ複数の男たちとのセックス・ー。
ふいにめくるめくような愉悦に襲われ、琴子は片手で口をふさいでいた。
突如として鮮烈な妄想が脳裏に広がり、危うく甘い喘ぎ声が漏れそうになったからだった。
閉ざされた病室でベッドに横たわり、見知らぬ4人の男たちに身体中をまさぐられるー。
自慰に耽る時、頭に思い浮かべるふしだらな妄想がいきなり現実化したような、異常極まりないシチュエーション。
それは明らかに、琴子の肉体の奥底で眠っていた獣の部分を引き出したようだった。
その日の凌辱は、1時間ほどで終わった。
医師の回診の時間になったからだった。
「じゃ、また明日ね」
ノックの音に、急いで服を着込むと、上気した顔の和夫に向かって琴子は言った。
「お待ちしてますよ」
答えたのは安田だった。
ほかの4人も、つられてかすかにうなずいた。
「かあさん、素敵だった」
和夫はずいぶん機嫌がいいようだ。
「俺が退院するまで、その調子で頼んだよ」
やってきた医師と看護師に軽く会釈して背を向けると、琴子はそそくさと病院を後にした。
足が地につかないようにふわふわしていた。
明日もまた、こうなるのだろうか。
バスに揺られ、想像した。
とたんに、股間で何か温かいものがぬるりと動くのがわかった。
不思議と嫌悪感はなかった。
いや、それどころか、胸の鼓動が激しくなっている。
楽しみを見つけた子どものように、期待で躰が震えるのがわかるのだ。
私ったら・・・。
車窓を過ぎる景色を見ることなく眺めながら、琴子はひとり顏を赤らめた。
ちくりと胸が痛んだのは、夫のことを思い出したせいだった。
あなた・・・ごめんなさい。
心の中で、つぶやいてみる。
が、すぐに投げやりな気分がそれに置き変わった。
あの人は、私のことなんか、なんとも思っていない。
私が他人に抱かれようと、おそらく平気に違いない。
だって、彼には、あの女がいるんだもの…。
ならば、少しぐらい私が楽しんだって、責められる筋合いはないはずだ。
少なくとも、私はセックス自体はまだしていない。
彼の背信行為に比べたら、こんなの可愛いものだろう…。
「まだ」という言葉に、引っかかりを覚えた。
明日以降も琴子は和夫の見舞いに通うつもりでいる。
おそらく、儀式は毎日繰り返されることだろう。
いみじくも最初和夫が言ったように、慣れてくればそれはどんどんエスカレートしていくに違いない。
となると、いつか、その行為がセックスにまで行きつく可能性は十分にある・・・。
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ふいにめくるめくような愉悦に襲われ、琴子は片手で口をふさいでいた。
突如として鮮烈な妄想が脳裏に広がり、危うく甘い喘ぎ声が漏れそうになったからだった。
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